2024年12月31日( 火 )

アビスパ、浦和撃破で6位浮上 浦和2-3福岡

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サッカー イメージ    サッカーJ1リーグアビスパ福岡は25日、アウェーの埼玉スタジアム2002で浦和レッズと第33節の試合を行った。

 クラブ史上初の戴冠、ルヴァンカップ優勝を成し遂げて早1カ月弱。決勝・国立競技場でアビスパに立ちはだかった浦和レッズと、リーグ戦での再戦となったこの一戦。快進撃を続けるアビスパに比べ、浦和はACL(アジアチャンピオンズリーグ)では浦項(韓国)に連敗して本選出場が危うくなり、J1リーグ戦ではヴィッセル神戸に敗れて優勝の可能性を失い(神戸は25日に優勝決定)、さらに今シーズンからチームを率いたマチェイ・スコルジャ監督の辞任が明らかになるなど、チームとして大揺れが続いている。

 だが、試合序盤で流れをつかんだのは浦和。元日本代表MF中島翔哉が攻撃のリズムをつくり、DF明本考浩・DF関根貴大の両サイドバックが積極的に攻撃参加に打って出る。

 13分、MF中島のパスを受けたDF明本がペナルティエリア内をドリブル突破。対応したアビスパDF奈良竜樹がスライディングでボールを奪うが、このタックルがVARの結果ファウルとなり、PKを与えてしまう。このPKをDFアレクサンダー・ショルツが冷静に決め、浦和が先制する。

 かつてのアビスパは、サポーターも「先制されたらもうダメだ」と思い込んでいた節があった。だが、いまのアビスパはまったく違う。むしろ、「早い段階での失点なら、挽回できる」と確信している。

 この日も、そして浦和相手でもこの確信は現実のものとなった。32分、浦和GK西川周作が蹴ったロングボールをDF宮大樹がヘディングで前線に送る。このボールのバウンドを胸トラップで合わせたFW山岸祐也の目に映ったのは、浦和のディフェンスラインの後ろに走りこむFW紺野和也の姿だった。

 前に出ようとしたGK西川の頭上を緩やかなループシュートが越え、ゴールイン。相手GKのキックを弾き返してから、わずか2本のパスでゴールに結びつける、まさに今期のアビスパを象徴する一撃だった。前半はこのまま、1-1の同点で折り返す。

 後半も流れはアビスパだった。54分、敵陣左サイドに切りこんだFW金森健志が相手を交わしながら右足でクロスボールを上げると、待っていたのは後半から出場のDF小田逸稀。フリーの小田がダイレクトで合わせると、ボールは浦和ゴールに吸い込まれた。審判はオフサイドでノーゴールと判定したが、VARの結果、オフサイドはなくゴール認定。あっという間に逆転をはたした。

 さらにアビスパの攻勢は続く。次はお得意の強烈なプレスからだ。62分、浦和GK西川は最後方からパスをつなごうと試みるが、これをアビスパFW陣が見逃さない。GK西川にFW山岸が強烈にプレスをかけると、西川は中盤から下がってきたMF柴戸海にパスを送る。

 その柴戸の背後から襲いかかってきたのが、アビスパが誇る中盤のハンター・MF前寛之だ。前の強烈なチャージで柴戸がボールをこぼすと、そこに走りこんでいたのはまたもFW紺野和也だった。紺野は西川の反応を見極めて、冷静にゴールゲット。これで3-1と大きくリードした。

 75分には交代で入ったFWアレックス・シャルクのゴールで1点差に追い上げられるが、浦和の反撃はここまで。ルヴァンカップ決勝に続き、対浦和戦2連勝を遂げた。

 この結果、アビスパの順位は6位に上昇。5位名古屋とは勝ち点差なしなので、最終節の結果次第では5位まで順位を上げる可能性が出てきた。

 最終節は12月3日(日)、ホーム・ベスト電器スタジアムで行われるサンフレッチェ広島戦。すでにチケットは販売中だが、人気殺到のため「立見席」も追加された。ルヴァンカップ優勝後、福岡での試合は初めてとなるアビスパの雄姿を、ベススタで目撃しよう!

【深水 央】

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