アビスパ、最終戦敗戦も歴代最高順位 福岡0-1広島
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サッカーJ1リーグアビスパ福岡は3日、ホームのベスト電器スタジアムにサンフレッチェ広島を迎え、第34節の試合を行った。今期のリーグ最終戦である。
ルヴァンカップ優勝をはたし、クラブ史上に残る1年を過ごしてきたアビスパ福岡。この広島戦に勝ち、1つでも順位を上げてリーグ戦を終えたいところ。対する広島は試合前の段階で4位。広島にとっては3位以上に与えられるACL(アジアチャンピオンズリーグ)出場権を賭けた重要な一戦となる。
ルヴァンカップ優勝後、初めての福岡開催となったこの試合。観客席は満員の観衆で埋まり、肌寒さを吹き飛ばす最高の雰囲気でスタートした。
同じフォーメーションでがっぷり4つに組み合った両チームだが、形勢を有利に進めたのは広島。セカンドボールを拾い、確かなテクニックに裏付けられた高速パス交換はアビスパのプレスバックを許さない。広島MF中野就斗、FW加藤陸次樹らが遠目の位置から強烈なミドルシュートを狙ってくるが、アビスパはDF陣の身体を張ったブロックとGK永石拓海の完璧なセービングで得点を許さない。
攻める広島・粘るアビスパという構図で試合は最終盤に突入する。だが、最後に上回ったのは広島のクオリティだった。アディショナルタイムに入り、96分。広島FWマルコス・ジュニオールが左足で挙げたクロスにDF荒木隼人が頭で触って軌道を変え、ボールは吸い込まれるようにアビスパゴールに飛び込んだ。
最後の最後で勝ちをつかんだ広島は3位、敗れたアビスパはクラブ史上最高順位となる7位でシーズンを終えた。実に悔しい負け方だったが、そもそも日本代表クラスの選手を多く抱えるサンフレッチェ広島のような強豪を相手に、これだけの戦いを演じることができたこと自体、アビスパが実現してきた成長の証だといえる。
試合終了後に行われたホーム最終戦セレモニーには、福岡市の高島宗一郎市長が登場。今期の躍進を祝うとともに、「ピッチの芝を1億円で張り替え、場内の大型モニターを2億3,000万円で改修します」と宣言。ハード面からも、アビスパを力強く後押ししていくことを表明した。
アビスパは18日にウクライナのシャフタール・ドネツクとのチャリティーマッチを行う予定であり、今シーズンの公式戦はこれで終了となる。4日には、Jリーグが2023年の各賞を発表。長谷部茂利監督が、Jリーグ優秀監督賞に選ばれた。優秀選手賞にはDF奈良竜樹、MF井手口陽介、FW山岸祐也が選出されている。
これからストーブリーグに入り、チームを去る選手も、新しく加わる選手もいる。アビスパサポーターとしては気持ちが落ち着かない季節の始まりだが、まずは今シーズンにアビスパが成し遂げた偉業をかみしめたい。
セレモニーで発表された来シーズンのユニフォームには、タイトル獲得を示す「星」が刻みこまれている。このユニフォームでピッチを駆ける2024年のアビスパの姿が、今から楽しみでしかたがない。
【深水 央】
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