裏金疑惑で揺れる自民党は再生できるのか?(前)
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NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」の記事を紹介する。
今回は、1月26日付の記事を紹介する。政治資金パーティーの裏金疑惑問題で自民党は“存立危機事態”に直面したと言っても過言ではありません。
本当に3つの主要派閥が解散することになった場合、行き場を失った議員たちは自民党内の無派閥議員らが呼びかける「無派閥情報交換会」という新たな勉強会の体裁をとった派閥に流れていく場合と、岸田首相と一線を画し、派閥維持を主張している麻生派と茂木派に合流する、のどちらかの可能性が高くなります。
多くの現職議員はこれまで、派閥から得られる選挙資金や党内および閣僚ポストを期待して所属していました。派閥の後ろ盾がなくなった場合、こうした議員たちは路頭に迷うことになります。
なぜなら、独立志向が強く、自力で議席を維持できる議員は少数だからです。もちろん、世襲議員や大きな支持母体を抱えている場合は別ですが、長年、自民党が築き上げてきた派閥政治から脱却することは大半の議員にとっては難しいでしょう。
岸田首相は史上最低の支持率の記録を更新中。「政治刷新本部」という大層な名前をつけた会議を主催し、国民の信頼を取り戻すと豪語していますが、国民が期待するような「政治の刷新」を実現するビジョンや道筋は一向に示されていません。
そのため、頼みの綱はアメリカということのようです。岸田内閣はバイデン大統領の都合に合わせ、4月10日にワシントンを国賓待遇で訪問します。
その段取りを取り仕切ったのは麻生副総裁でした。麻生氏は自らが会長を務める中曽根平和研究所が連携するアメリカの「大統領職・議会研究センター」から招待されたというかたちを取り、ワシントンで講演。
その機会に、バイデン政権の幹部ともすり合わせをしたのです。何をしたかといえば、岸田首相を最大限、持ち上げてもらい、これを花道に政権交代に」進むというシナリオに他なりません。
強かな麻生氏は、本年11月の大統領選挙ではトランプ氏がカムバックする可能性が高いと踏んでいるようです。そのため、トランプ氏との面談も画策し、わざわざトランプタワーのあるニューヨークまで足を延ばしました。
とはいえ、安倍元首相とは違い、トランプ陣営から相手にされなかったようです。しかし、「俺がわざわざトランプに会うためにニューヨークを訪問したことは、ちゃんと本人の耳に届いているはずだ」と自信満々。
要は、アメリカとのパイプを誇示し、「ポスト岸田の自民党、そして日本を仕切るのは俺だ」というわけです。
(つづく)
著者:浜田和幸
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