2024年12月25日( 水 )

高市氏、保守派勉強会での講演はポスト岸田を見据えた動きか?

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 自民党の保守系議員の勉強会「保守団結の会」が8日に党本部で会合を開き、高市早苗経済安全保障担当大臣の講演会を開いた。安倍晋三元首相は同会「永久顧問」で、高市氏は顧問を務めている。

 同会は2020年に、稲田朋美元防衛大臣が会長を務める保守系勉強会「伝統と創造の会」から伝統的な家族観を重視する議員が離脱し結成された。代表世話人は、高鳥修一元農林水産副大臣、城内実元外務副大臣、赤池誠章元内閣府副大臣の3人。「皇室の尊厳と皇統の護持」「憲法改正」「新自由主義的経済政策」との決別などを掲げている。高鳥氏をはじめ安倍元首相に思想信条の近い議員が集まっており、リベラルな宏池会出身の岸田首相の政策、政権運営に不満をもっている。

 高市氏の講演テーマは、経済安全保障分野などで機密情報に触れる権限を与える「セキュリティー・クリアランス(適性評価)制度」。講演会には、代表世話人の高鳥氏や赤池氏など約15人が参加した。同会は今後、隔週木曜日に昼食をともなう会合を開催するという。

 岸田首相は派閥の政治資金をめぐる問題で逆風のなか、派閥解消に踏み切り、政権の延命を図っているが、首相就任に際して保守系議員の力を借りた経緯から、施政方針演説で憲法改正に言及するなど岩盤保守層に配慮せざるを得ない立場にある。

 高鳥氏らは、「勉強会は総裁選ありきではない」というものの、ポスト岸田の候補の1人である高市氏を担ぐことで、自民党内だけでなく官邸に対しても、岩盤保守層をないがしろにしたら政権が危うくなることを示す狙いがあると指摘する政界関係者は少なくない。

 また高鳥氏は、同日所属していた清和政策研究会(安倍派)に退会届を出したことを明らかにした。高鳥氏は、自身のFacebookにおいて「清和研の総会で説明を聞いた時に、亡くなった安倍先生のせいにして誰も責任を取ろうとしない、責任のなすり合いをしている幹部の姿を見てつくづく『見苦しい』と思いました」と述べたうえで「合わせて約20年所属させて頂いた清和政策研究会を、これを機に『退会』することと致しました。安倍晋三先生あっての安倍派であり、解散自然消滅ではなく、ケジメとして退会致します。もし来世があるとすれば、私は安倍晋三先生の弟子であり安倍派でいたいと願っております」と安倍元首相への強い敬慕の念を示した。

 自民党では伝統的に保守色の強い議員とリベラルな価値観をもつ議員とが共存してきた。保守系議員には温度差はあるものの、高鳥氏のように安倍元首相を支持してきた議員が多い。今後の岸田政権の動向次第で、新たな政策グループの結成が行われる可能性がある。

【近藤 将勝】

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