2024年12月26日( 木 )

立憲民主党超絶不人気の理由

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 NetIB-NEWSでは、政治経済学者の植草一秀氏のメルマガ記事を抜粋して紹介する。今回は、「野党第1党の立憲民主党の体たらくが実質的に自民党を支えている。立憲民主党中枢部を変えなくてはならない」と訴えた2月28日付の記事を紹介する。

2月27日付のブログ記事「規正法抜本改正言質取らねば無意味」
https://x.gd/UWbcD
メルマガ記事「プロレス興行に見える国会審議」
https://foomii.com/00050

 に記述したが自民党裏金脱税事件の処理をめぐる与野党のやりとりは「プロレス興行」を見ているようだ。

 プロレス興行の特徴はそれなりに場面を盛り上げて見せ場をつくること。ただ、着地点は最初から決められている。民主党の元総理が厳しい追及をした。最後は岸田首相が乗り込んで自分が政倫審で答弁することを表明。公開のかたちで開く。盛り上げたつもりなのだろうか。

 しかし、元総理という人物は「シロアリを退治しないで消費税を上げるのはおかしい」と叫びながら、シロアリを一匹も退治せずに消費税を2倍にする法律制定を強行した人物。この人物のせいで民主党政権は木っ端微塵に崩壊した。いまごろ、どの顔を出して国会審議に臨むというのか。

 岸田首相が政倫審に出る意味は不明。自分が出る前に、政倫審に出席させるべき議員が多数存在する。元総理、元幹事長の出席は不可欠だろう。

 政倫審の日程が29日、1日に設定された。予算の年度内成立をほぼ確実にする日程設定。自公と野党の「握り」が浮かび上がる。かつて「国対政治」と呼ばれる「プロレス興行」があった。これを焼き直したもの。

 岸田内閣の支持率が2割を割り込み、自民党の支持率も2割台にまで低迷。文字通りの政権末期の様相を示すが、内閣崩壊が見えてこない。

 日経新聞が09年の麻生内閣と現在の岸田内閣の比較を表にして掲載した。内閣支持率と自民党支持率の合計はいずれも50%。内閣不支持率は麻生内閣が71%で岸田内閣が67%。岸田内閣の現状は政権末期の麻生内閣とほぼ同じ。

 ところが1つ、決定的な違いがある。野党第一党の支持率だ。2009年の民主党支持率が40%で自民党を大幅に上回った。ところが、現在の立憲民主党支持率は9%で自民党の半分にも届かない。立憲民主党が岸田内閣を支える大黒柱になっている。

 立憲民主党の凋落が鮮明になったのは2021年10月。総選挙に際して枝野幸男氏が明確な方針転換を示した。21年10月総選挙直前に枝野幸男氏は記者に対してこう述べた。

「「野党共闘」というのは皆さんがいつもおっしゃっていますが、私の方からは使っていません。あくまでも国民民主党さんと2党間で連合さんを含めて政策協定を結び、一体となって選挙を戦う。共産党さんとは(共産、社民、れいわの3党と一致した政策に)限定した範囲で閣外から協力をいただく。」

 枝野氏は、共闘の対象は国民民主と連合であって、共産、社民、れいわとは共闘しないことを宣言した。この発言で野党共闘を支援する主権者が一斉に立憲民主党支持から離脱した。枝野立憲民主党は21年10月総選挙で惨敗した。

 引責辞任した枝野氏の後継代表に就任したのが泉健太氏。泉氏は枝野氏以上に反共産を鮮明にした。その結果、22年7月参院選でさらに大惨敗した。しかし、泉氏は代表の座に居座り続けている。トップが結果に対して責任を取らない組織は腐敗する。

 かつての民主党を破壊した勢力が現在の立憲民主党中枢部に巣食っている。これで立憲民主党の支持が上昇するわけがない。野党も野党の地位に安住することを求めて、国会議事堂を舞台にプロセス興行を演じているように見える。

※続きは2月28日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「立憲民主党超絶不人気の理由」で。


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植草一秀の『知られざる真実』

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