2024年11月21日( 木 )

世界に広がる健康長寿ビジネス:あなたも123歳越えに挑戦しますか?(後)

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 NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」の記事を紹介する。
 今回は、3月15日付の記事を紹介する。

 そして、今、世界では健康長寿ビジネスが花盛りです。幹細胞を刺激することで寿命を倍に伸ばす研究も急ピッチで進んでいます。たとえば、モルドバ生まれの英国で大成功したカミンスキー氏は「延命投資ファンド」を立ち上げ、自らがモデルとなり「123歳を超える」と豪語するほどです。

 明らかに世界最高齢の記録をもつカルマンさんを意識しているに違いありません。その上、「どこの誰であろうと、カルマンさんより長生きをした人には100万ドルをプレゼントする」と話題づくりにも精を出しています。皆さんも挑戦してみては如何ですか?

イメージ    また、3月17日に大統領選挙の洗礼を受けるロシアのプーチン大統領も、「健康オタク」として有名です。現在71歳ですが、食生活には大変に気を配っているとのこと。そのうえで、先月、ロシア国民に向かって大演説をぶちました。曰く「皆さん、アルコールの飲み過ぎは止めましょう。家族や友人との健康的な食事を楽しんでください。子どもをたくさん産んで育てましょう!」。

 実は、ロシアの男性の平均寿命は65歳です。女性は少し長生きですが、日本とは比べ物になりません。人口も減少傾向が続いており、プーチン大統領は危機感を強めています。強権的な政策が国民から自由な発想や行動を奪っているわけですが、そのことには無関心のようです。

 多くのロシア人の男性は厳しい監視生活の憂さ晴らしのためかウォッカの飲み過ぎで寿命を縮めています。そんな国民の窮状には目を向けず、自分自身が100歳どころか、永遠の命を手に入れようと、あの手この手を繰り出しているのが「クレムリンの主」に他なりません。

 何しろ、ロシア国内に限らず、世界中から延命長寿に役立ちそうな食材を集めているとのこと。また、医師である長女を自らが立ち上げた延命長寿研究所の責任者に据え、徹底的な医療管理体制も構築していると言われています。そこまでして長生きに拘る理由は何でしょうか?あまり知られていませんが、プーチン大統領には現在9歳と5歳の息子が2人います。この息子のどちらかを後継者にし、「プーチン王朝」を築くのが彼の夢なのです。

 ロシアの憲法では、大統領は35歳以上と明記されています。憲法の改正も可能ですが、自分があと20年から30年元気で頑張れば、息子にバトンタッチできる可能性が出てくるというわけです。そうした願望というか野心こそが、プーチン大統領の健康志向の隠された理由かも知れません。

 史上最年長の記録をもつカルマンさんとは似ても似つかぬ動機に突き動かされているわけですが、勝負強いプーチン大統領がどこまでカルマンさんに迫るのか大いに見ものです。ちなみに、最近、ロシアでは従来のチョコレートに海の藻を混ぜ合わせた日本式の長寿の宝チョコが人気を博しているようです。

(了)


著者:浜田和幸
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