賛否が分かれる国道3号広川八女バイパス建設(前)
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「国道3号広川八女バイパス」が事業化され、測量などの予算も計上された。しかし、地元は賛成ばかりではなく、反対の声も聞かれる。
与野党の重鎮や地元首長らで杭打ち式
国土交通省九州地方整備局が整備を進める「国道3号広川八女バイパス」(福岡県広川町~八女市立花町、11.4km)について、現地測量作業が開始されるのを前に、関係者が出席して杭打ち式が行われた。
会場の市民会館おりなす八女には、全国道路利用者会議会長の古賀誠元自民党幹事長や蔵内勇夫福岡県議会議員、服部誠太郎福岡県知事、三田村統之八女市長、森戸義貴九州地方整備局長など多くの関係者が集まった。
国道3号広川八女バイパス整備促進期成会の特別顧問でもある古賀氏から挨拶が行われ、杭打ち式では来賓と地元の幼稚園児が一緒に杭打ちを行い、和やかな雰囲気が演出された。
広川八女バイパスは、九州自動車道広川インターチェンジから山側の平野部を通り、八女市中心市街地を回避して、道の駅「たちばな」付近へ到達するルート。この建設により、物流トラックなど長距離の移動を行う車両と、八女地域近郊の生活交通が混在した広川町・八女市エリアの国道3号の渋滞緩和が図られるという目的があり、地元からは過疎化が進む八女市東部地域の振興にもつながると期待の声がある。
同バイパスには、新年度予算として測量費などに3億円が計上されており、事業予定ルートや周辺の測量や地質調査を経て、具体的な設計案がまとめられ、用地買収が行われる。
会場前で反対運動
一方、建設予定ルートの住民を中心に反対の声が依然としてあり、杭打ち式が行われた会場のおりなす八女には、反対派の住民がバイパス反対のプラカードを掲げる活動を展開した。
元八女市長でもある立憲民主党の野田国義参議院議員は一貫して建設に反対であり、杭打ち式も欠席した。自身のSNSで「抗議の意思を表しました」「国会で政治とお金の問題が起こっていますが、こういった無駄な利権道路こそが根本的な元凶」であるとして「国会で追及」することを表明している。
実は、事業化決定に至るまで紆余曲折があった。10日の杭打ち式に至るまですんなりとはいかず、一時、県議会の承認が出ず、2年ほど停滞していた。
次回は杭打ち式後の14日におりなす八女で開催された国道3号広川八女バイパス測量および地質調査に関する説明会などについて紹介したい。
【近藤 将勝】
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