【筑紫野・JT工場跡】市民が期待していることとは？

2024年5月2日 06:00

ツイート

ダブルアクセスの立地

JT工場跡は16.6haと広大な面積を誇る。敷地の最も遠いところからJR二日市駅までは徒歩23分（近いところからは12分）、西鉄・JR二日市駅までは34分（同24分）、西鉄・紫駅までは25分（同16分）、西鉄・朝倉街道駅までは18分（同9分）と、JR・西鉄合わせて4駅の利用が可能な好立地だ。

また近隣には、イオンモール筑紫野、筑紫野ベレッサ、ゆめタウン筑紫野とショッピングモールも充実しているほか、筑紫野市総合公園や野球、ボウリング、アスレチックやボルダリングができる筑紫野スポーツランドといった施設もそろう。

跡地開発、
市民の希望は？

同地は、筑紫野市が所有者であるJTと取得に向けた交渉を続けてきたが、4月11日、「価格面での隔たりが大きく、不調として協議を終了」していた。JTは早期の売却を希望しているといい、売却に向けてJTは民間と交渉を始めていくものとみられる。そこで、独自にJR二日市駅周辺、西鉄・二日市駅周辺、JT工場跡地周辺で、10代から70代の筑紫野市民に話を聞いた。

　JR二日市駅周辺では10名から回答を得ることができた。最も多かったのは、「公園」で7名、「その他」「ショッピングモール」「とくにない」「スポーツ施設」が続く。次に西鉄・二日市駅でも10名から回答を得た。こちらも「公園」が圧倒的で「その他」「とくにない」「ショッピングモール」という回答だった。「スポーツ施設」はゼロだった。JT工場跡の周辺では15名から回答を得た。こちらも「公園」が圧倒的で、「とくにない」「その他」「ショッピングモール」「スポーツ施設」という回答だった。

JR二日市駅前では、子連れの若い夫婦から話を聞くことができたが、工場閉鎖については知らなかったようだ。跡地の活用については、「二日市温泉という立地を生かしたランドマークがあるショッピングモールがあるといい」と答えてくれた。また、「スポーツ施設ができるのであれば、野球やバスケットボールといったプロスポーツの試合があるなら見たい」と話した。

■取材後記■

　今回（4月初旬）、延べ100人以上に声をかけたが、工場跡地の存在を知らない人がほとんどで、意外と（？）関心が低いことがわかった。工場跡地への要望のほかに、「週末にはどこに遊びに行っているか」などヒアリングしたが、公園であれば筑紫野市の総合公園、春日市の春日公園、ショッピングモールであればイオンモール筑紫野や筑紫野ベレッサ、ゆめタウン筑紫野という声が多かった。つまり、「公園」「ショッピングモール」については、選択肢が増えるのはありがたいが、すでにある程度満足している状況という可能性が高いようなのだ。

　「スポーツ施設」については、漠然と「あれば良いと思う」という感じで、草野球やマラソンなどの自分がスポーツをしに行くのではなく、国体やオリンピックのように見に行くことを考えている様子がうかがえた。交通利便性が高い立地ということもあり、筑紫野市民としては、公園もショッピングモールもスポーツ施設もすでにある程度充当していると感じていて、求めているのは二日市温泉と並ぶ「新しい筑紫野らしさ」なのだろう。

番外編
　「コストコができたとしたら？」という問いには、「行く」「絶対毎週行く！」と30代の若い夫婦が元気に答えてくれたのが印象的だった。ただ、隣の小郡市で「コストコ小郡倉庫店」のオープンが控えており、その可能性は限りなく低いだろう･･･。

【外部ライター・奥野　晃市】

ツイート

※記事へのご意見はこちら

月刊誌 I･Bまちづくりに記事を書きませんか？

福岡のまちに関すること、再開発に関すること、建設・不動産業界に関することなどをテーマにオリジナル記事を執筆いただける方を募集しております。

記事の内容は、インタビュー、エリア紹介、業界の課題、統計情報の分析などです。詳しくは掲載実績をご参照ください。

企画から取材、写真撮影、執筆までできる方を募集しております。また、こちらから内容をオーダーすることもございます。報酬は1記事1万円程度から。現在、業界に身を置いている方や趣味で再開発に興味がある方なども大歓迎です。

ご応募いただける場合は、こちらまで。その際、あらかじめ執筆した記事を添付いただけるとスムーズです。不明点ございましたらお気軽にお問い合わせください。（返信にお時間いただく可能性がございます）