2024年12月27日( 金 )

経済利益・政治圧力とメディア

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  NetIB-NEWSでは、政治経済学者の植草一秀氏のメルマガ記事を抜粋して紹介する。今回はマクドナルド柏店で起きた問題を例に挙げたうえで「メディアの歪みはメディアの堕落そのものだ」と論じた5月10日付の記事を紹介する。

マクドナルドが恐ろしいことになっている。ネット上で流布されている動画。
https://x.gd/cKksJ

日本マクドナルド柏店(千葉県柏市柏1-2-31)で撮影されたものだという。事件が発生したのは5月2日のこと。いまテレビが連日連夜取り上げているパワハラ関連の最適素材ともいえる。カスハラ(カスタマーハラスメント)もよく取り上げられるが、こちらのケースはカスタマー「に対して」行っているハラスメント。

「言葉の暴力」という言葉が用いられるが、限りなく暴力そのものに近い印象が強い。マクドナルドの女性スタッフが懸命の対応を示しているが、この対応がなければ暴行・傷害事件に発展した可能性が高い。

情報を集約して紹介するYouTube動画は、マクドナルド柏店の口コミサイトに掲載されている情報も紹介している。
https://x.gd/QCg9a

口コミサイトの情報では、5月2日事件の加害者と見られる男性と同一人物と見られる人物の過去の対応の悪さが多く指摘されているようだ。事件の最中に女性スタッフが発している言葉も、このような問題が過去に繰り返されていることを示唆している。

日本各地の町長などによるパワハラ行為などが問題とされ、テレビメディアが競って報道を展開している。

各種外食店舗における客の悪質行為が問題とされ、その問題場面を撮影した動画をテレビメディアが繰り返し報道する。日本を代表する外食産業最大手のマクドナルドの事案であるから、テレビメディアが飛びついて報道し、大拡散されることが容易に推察される。

ところが、この事件に関してはテレビメディアの報道があまり伝えられていない。小林製薬の紅麹問題は連日連夜、大報道が展開され、小林製薬糾弾のキャンペーンが張られてきた。しかし、マクドナルド柏店事件についてはテレビ番組での報道が聞かれない。

確定情報ではないが、ネットで流布された「チャレンジクルー説」はこの事案の加害者には当てはまらないとの見方が有力である。加害スタッフが着用している制服はマネージャー職位のものだと伝えられている。

当該加害スタッフが店長ではないかとの説もある。この加害スタッフが店長であることは考え難いが、いずれにせよ、株式市場に上場する巨大企業の問題であるから、適正な事後処理が必要になる。

企業の責任を追及するテレビメディアがこの問題を積極的に取り上げないことが不自然極まりない。考えられることは日本マクドナルドがテレビメディアに巨額の広告費を落としていること。民間放送会社の経営はスポンサー収入に依存している。

※続きは5月10日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「経済利益・政治圧力とメディア」で。


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