2024年12月27日( 金 )

リニア真上住民の集団提訴必須

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 NetIB-NEWSでは、政治経済学者の植草一秀氏のメルマガ記事を抜粋して紹介する。今回は静岡県知事選での問題発言を取り上げながら、リニア問題を再検討すべきと指摘する5月27日付の記事を紹介する。

 天に唾するとはこのこと。静岡県知事の川勝平太氏は4月1日の新規採用職員への訓示の場で不適切な発言をした。

 「県庁というのは、別の言葉で言うとシンクタンクです。毎日、毎日、野菜を売ったり、牛の世話をしたり、物を作ったりということと違って、基本的に皆様方は、頭脳、知性の高い方たちです」

 たしかに配慮を欠く発言だった。これを、「県庁というのは、別の言葉で言うとシンクタンクです。世の中には実にさまざまな仕事があって、どの仕事もすべてが貴重でかけがえのない仕事です。どの仕事が上でどの仕事が下などということはまったくありません。すべての仕事はかけがえがなく、どれも貴重な仕事ですが、そのなかで、県庁での仕事においては、皆さんの頭をフルに活用してもらわなければなりません。この大切な仕事に対して、誇りをもって一生懸命に取り組んでいただきたいと思います」などと述べていたら問題にならなかっただろう。しかし、この発言が大々的に取り上げられた。その結果として川勝知事が辞意を表明した。川勝知事辞職にともない、知事選が実施された。

 知事選は立憲・国民が推薦する鈴木康友前浜松市長と自民が推薦する静岡県元副知事の大村慎一氏による与野党対決の様相を示した。リニア反対を明示して共産党推薦の森大介氏も出馬したが情勢調査で当選には届かないとの見通しが示された。

 この知事選で大村氏の応援に入った上川陽子外相が失言した。「産まずして何が女性か」と発言。「産みの苦しみは本当にすごい」とも述べた。大村氏を知事として産み出すことを述べたものだが、「産まずして何が女性」「産みの苦しみは本当にすごい」は明らかに女性の出産を念頭に置いた表現。「子を産まぬ女性は女性と言えるのか」と受け取られる発言だった。

 メディアは新規職員への訓示での失言で川勝氏を知事辞職に追い込んだ。この事例を踏まえれば上川外相は応援演説での失言で外相辞任に追い込まれておかしくなかった。川勝氏失言で吐いた唾が上川氏に降りかかってきた。上川氏の失言を擁護するなら川勝氏の失言も擁護するのが順当。川勝氏の失言で辞職に追い込むなら上川氏の発言でも辞職に追い込むのが順当。

 静岡県ではかつて同県選出の自民党議員であった柳沢伯夫厚労相が「女性は産む機械」と発言して批判を招いた。上川発言は柳沢発言の再演でもあった。自民党の静岡議員団がすごい。上川陽子外相、柳沢伯夫元厚労相に加えて、宮澤博行元衆議院議員、吉川赳衆議院議員、山崎真之輔元参議院議員などが顔をそろえる。

※続きは5月27日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「リニア真上住民の集団提訴必須」で。


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