2024年11月13日( 水 )

アビスパ、雨中決戦で快勝 柏0-2福岡

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イメージ    サッカーJ1リーグアビスパ福岡は2日、アウェーの三協フロンテア柏スタジアムで柏レイソルと第17節の試合を行った。

 柏レイソルは、5月22日のルヴァンカップ3回戦でアビスパを下し、ルヴァンカップ連覇の夢を砕いた因縁の相手。ここは雪辱を果たし、リーグ戦での躍進につなげたいところだ。

 この日のスタジアムには、梅雨時を思わせるような強い雨が降り続いた。選手たちがボールを蹴ると、中継の画面越しでもはっきりわかるほど水しぶきが上がる。こんなコンディションでは普段とボールの動きがまったく異なるものだが、その環境に適応したサッカーをプレーできていたのはアウェーのアビスパのほうだった。

 試合は柏の攻勢でスタートし、U23日本代表FW細谷真大らがゴールに迫るが、アビスパはGK村上昌謙を中心とした堅い守備を見せる。そして先に決定機を迎えたのはアビスパ。26分、敵陣中盤の右サイドでボールをもったDF小田逸稀がゴール前に鋭くカーブがかかったクロスボールを送ると、走りこんだアビスパFW佐藤凌我とマークについた柏DF関根大輝のあいだでピンボールのように跳ね返ったボールがそのままゴールに吸い込まれ、アビスパが先制に成功。記録はDF関根のオウンゴールとなった。

 柏にとっては不運な失点だったが、さらなる不幸が柏を襲う。オウンゴールが起きたプレーでDF犬飼智也が負傷交代となり、柏はディフェンスリーダーを欠いた状態で残りの試合を戦わなければならなくなった。

 さらに39分、アビスパの攻撃。右サイドで得たフリーキックを蹴るのはMF前寛之。前の正確なクロスボールに、相手DFの死角から飛び込んできたDF小田逸稀がピンポイントで合わせ、ボールはGK守田達弥のセーブおよばずゴールに突き刺さった。これでアビスパのリードは2-0となった。

 後半、柏は攻撃的な選手を次々に投入してゴールを狙うが、アビスパは得意の堅守を発揮。DF田代雅也、DF井上聖也、DF亀川諒史の最終ラインはあるときは身体を張ったブロックでシュートを防ぎ、またあるときは鋭い出足で相手の攻撃の芽を摘み、さらにGK村上が素晴らしいセービングを見せる。試合はそのまま終了、アビスパが2-0で勝利し、今シーズン初の連勝を飾った。

 先制し、追加点を挙げ、そして無失点で試合を締めくくる。まさにアビスパが求めている展開でゲームをコントロールした素晴らしい一戦だったといえるだろう。シュート数を比較すると、アビスパの5本に対して柏は実に23本。強烈な柏の攻撃をいなしながら、見事に無失点で切り抜けることができた。試合後の記者会見で長谷部茂利監督が「自分たちのスタイルと色は出せた」と語ったように、まさに会心の勝利だった。

 スケジュールは代表戦ウィークに入り、次の試合は12日(木)の天皇杯・福山シティFC(中国サッカーリーグ・5部相当)。じっくり調整し、次に控えるサガン鳥栖との九州ダービーに備えてほしい。

【深水央】

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