2024年07月16日( 火 )

自民・麻生副総裁「政治活動に資金は必要」と福岡県連大会で岸田首相を批判

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 自民党福岡県連は8日、ホテル日航福岡で年次大会を開催した。麻生太郎・自民党副総裁、服部誠太郎・福岡県知事、蔵内勇夫・常任相談役などが列席。党員や関係団体など多数が参加するなか、県連常任相談役でもある麻生氏が講演を行った。

岸田首相を牽制

    麻生氏は、講演で、安倍派や二階派のパーティー収入不記載事件を受けた政治資金規正法改正案に関し、「経理処理が極めて不適切ということから国民の皆さまに政治不信が生まれるという事態になった」として党員や支持者に謝罪したうえで「政治資金の透明性を図ることは当然だが、将来に禍根を残すような改革は断固、避けなければならない」と述べた。

 麻生氏の発言は、波紋を呼んでいるが、派閥解散のころから岸田首相との間に隙間風が吹いているとされる。

 自民党福岡県連は、麻生氏に近い県議会議員が主要役員を担っているが、地方議員のなかには、麻生氏の「政敵」である古賀誠自民党元幹事長や武田良太元総務大臣に近い議員も少なくない。

 岸田首相は、麻生氏に対抗すべく、出身派閥「宏池会」の前会長・古賀氏や、菅義偉前首相に近い武田氏を重視しているといわれ、今回の発言は、岸田首相の政治資金規正法の改正方針に異議を唱え、暗に岸田首相を牽制する意図があるとみられる。

 また、講演のなかで秘書給与や事務所の維持費を「民主主義のコスト」とも述べている。公明党などに配慮して政治資金パーティー購入者名の公開基準額を当初の「10万円超」から「5万円超」に引き下げたため、企業などからの購入が減ることを危惧した発言だろう。

2009年政権交代の再来か

 昨年の県連大会は、5月の開催。G7広島サミット閉幕直後で、内閣支持率が上昇し、衆議院の解散は近いという雰囲気のなかで行われた。

 麻生氏は講演で「自民党に逆風が吹いている」とも述べた。僅か1年で状況が一変し、4月の衆議院3補選や5月の静岡県知事選などでの相次ぐ自民推薦候補の敗北は、麻生氏が首相を務め下野した2009年の状況に似ており、このままでは権力の座から滑り落ちかねないことに強い危機感を抱いていることは間違いない。

【近藤将勝】

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