2024年11月24日( 日 )

三田村八女市長が11月の市長選に立候補せずと表明~注目される次期市長

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 福岡県八女市の三田村統之市長(80)は10日、市役所で記者会見を行い、11月3日に告示される次期市長選について、健康面の問題などを理由に立候補しない意向を表明した。

 三田村氏は、「年齢的に疲れやすく、健康や体力面から難しいと判断し、今期で退任したい」と述べた。3日の八女市議会の一般質問において、市長選への対応を問われた際、「いろいろな角度から検討している」という趣旨の答弁を行っており、今回の決断に至ったとみられる。

 三田村氏は、福岡県内の市長のなかで最高齢。2017年には肝硬変で、兵庫県内の病院に入院し、手術を受けた。在宅での病気療養を経て、18年1月に公務には復帰したものの、市長のトップセールスは他自治体に比べ少ないとの指摘があり、健康面での不安から、「5期目は厳しい」という市議や行政関係者の声が挙がっていた。

 4期16年の市政において、八女郡の旧黒木町や星野村など3町2村との合併や、12年に甚大な被害を受けた九州北部豪雨からの復旧、日系人初の米連邦議会議員で、同市の旧上陽町にルーツがあるダニエル・イノウエ氏のミュージアムや市庁舎の新設などに取り組んだ。

八女市新庁舎記念式典の様子(右から3人目が三田村市長)
八女市新庁舎記念式典の様子(右から3人目が三田村市長)

 後継候補については、「未定」としたが「八女市のことを理解している人でないと、(合併前の)1市3町2村をまとめ、発展させていくのは難しい」と述べ、「さまざまな意見を聞き、話し合いをして判断したい」と含みをもたせた。

 八女市は、農村地域ではあるが、商業施設や学校がある旧八女市から、大分・熊本両県に隣接する山間部まで多様な地域性をもち、これまで多くの文化人や実業家を輩出してきた。今月30日、市制施行70周年と合併15周年の記念式典を開催するが、三田村氏の事実上の引退表明の花道となる。

 今後の人口減少などを見据え、故郷八女市を愛し、強力なトップセールスと変革を実行できるリーダーの誕生が求められている。

【近藤将勝】

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