小池都知事が立候補表明~野党分裂による影響はいかに
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東京都の小池百合子知事(71)は12日、都議会本会議で、任期満了にともなう都知事選(20日告示、7月7日投開票)に3選を目指して立候補すると表明した。小池氏は、2期8年の実績を強調し、都政の継続を訴えた。自民・公明・都民ファーストは小池氏を支援する。
自民は小池氏への支援を通じて、選挙での連敗を阻止したいと考えているのは間違いない。自民東京都連は10日の会合で小池氏支援を決定した。都連会長を務める萩生田光一前政調会長は会合後、「小池氏が出馬するなら支援する方向だ」と表明した。
一方、小池氏陣営は逆風下にある自民に抱き着かれても困るのが本音である。そこで、自民の支援が目立たないよう「確認団体」をつくり、間接的な支援を行う考え方もあるようだ。
いずれにせよ告示直前の表明となったが、蓮舫参議院議員との事実上の与野党対決となる構図が固まった。
蓮舫氏を支援する立憲民主党は、自民党の政治資金問題を追い風にしたい考えだが、野党でも国民民主党と日本維新の会は、蓮舫氏を共産党が支援していることから、小池氏への支援に傾いており、「野党共闘」は厳しい状況にある。
立憲、共産党や市民団体による候補者選定委員会が協議を重ね蓮舫氏を統一候補としたが、立憲の支持団体である連合(日本労働組合総連合会)の芳野友子会長が、共産党との共闘を批判し、民間労組の支援を受ける国民も芳野会長に同調したことで、自民の政治資金問題による逆風から、小池氏有利に変化したとみる向きが少なくない。
連合は結成以来、反共主義で労使協調路線を歩んできた。連合系と共産党系は公務労働の現場を中心に勢力争いを繰り広げてきた歴史があり、民間労組出身である芳野氏をはじめ歴代の連合幹部の多くが「共産党は過激で労働戦線の分裂につながる存在」と考えてきた。
ネット上などで「立憲共産党」といったマイナスイメージが広がっており、日教組出身の清水秀行・連合事務局長は12日、蓮舫氏について、「まるで共産の公認候補のようだ。受け入れられない」と批判するなど、本筋から逸れてイデオロギー対立の様相を呈している。
4月の衆議院3補選で、不戦敗を含め、立憲候補は共産の支援を受けて3連勝し、5月の静岡県知事選でも立憲、国民の支援候補が自民の推薦候補に勝利した。この勢いに乗って都知事選で勝利すれば、今国会中の衆議院解散は見送られる方向とはいえ、立憲にとって大きな実績となる。
ただ、「立憲共産党」批判などによる影響を考慮し、立憲は蓮舫氏を推薦せず、自主支援とする可能性もある。
小池氏にとっても立憲にとっても負けられない戦いであるが、与党にも野党にも属しない無党派層の心をいかにつかむかが、今回の都知事選のカギになるだろう。
【近藤将勝】
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