重見(福大卒)プロ初ゴールで6月無敗達成! FC東京0-1福岡
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サッカーJ1リーグアビスパ福岡は6月30日、アウェーの味の素スタジアムでFC東京と第21節の試合を行った。
FC東京とアビスパには、いくつかの因縁がある。FW佐藤凌我がシーズンを棒に振る大怪我を負ったのは、昨年9月のルヴァンカップFC東京戦。また、現在アビスパのエースとして活躍するFW紺野和也は、2022年までFC東京に所属していた。この紺野と入れ替わるかたちで昨年からFC東京に加入したのが元日本代表FW仲川輝人。仲川は17年、J2時代のアビスパでプレーした経験もある。
FC東京の特徴は、仲川やDF長友佑都、DF森重真人ら日本代表経験者や、MF松木玖生、FW荒木遼太郎などパリオリンピックでの活躍が期待される若いタレントが集まり、高い個人能力をベースに攻撃を組み立てること。このタレント軍団に、徹底した組織力と高い集中力、惜しみないハードワークが特徴のアビスパがどう立ち向かうかが注目の一戦だ。
試合は、ボールを保持しながら攻めるFC東京、守ってカウンターを狙うアビスパという構図でスタート。FC東京が見事なパスワークからゴールに迫るシーンもあったが、アビスパは意思が統一された堅い守備でFC東京の攻撃を寄せ付けず、ピンチらしいピンチのないまま前半が終了する。
がっぷり4つに組み合った好ゲームを動かしたのは、長谷部茂利監督の采配だった。62分、FW佐藤凌我、DF亀川諒史に代えてMF重見柾斗、DF小田逸稀を投入。そのわずか4分後の66分。右サイドでスローインを受けたMF前寛之がボールをキープ。FC東京FW俵積田晃太がマークにつこうとするが、前は小田とパス交換して俵積田を前後に動かし、俵積田を引きつけてから小田にパスを送る。完全にフリーの状態でボールをもった小田がゴール前に低い弾道のクロスを送ると、MF重見が相手DFの死角から滑るように走り込み、ピンポイントで合わせてゴールを奪った。重見にとってはこれがプロ入り初ゴール、そしてこの試合の決勝点となった。
この後、アビスパは盤石の試合運びでFC東京を完封。6月は公式戦6試合を5勝1引き分け、わずか1失点という願ってもない結果となった。他会場の結果などを含め、アビスパは順位を上げ、J1で6位となった。勝点差では2位の鹿島アントラーズまでわずか3。7月の結果によっては、アジアチャンピオンズリーグ出場権のかかる3位以内にも手がかかる状況となった。
シーズン開幕当初は、昨シーズンの躍進を支えた中心選手の流出もあって難しい戦いを予想するサポーターも少なくなかった。だが、長谷部茂利監督のすばらしいリーダーシップと、出場機会を得た者がすべてベストを尽くす選手たちの働きが、その予想を見事に覆してみせた。
昨シーズンも使ったフレーズだが、「アビスパは今が一番強い」。その強さを、ぜひベスト電器スタジアムで目に焼き付けて欲しい。
【深水央】
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