日本政治構造の深層を読む
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NetIB-NEWSでは、政治経済学者の植草一秀氏のメルマガ記事を抜粋して紹介する。今回は「主権者が選挙の構造を洞察して正しい判断を示さなければ、結局は巨大な力が目指す地点に選挙結果が誘導される」と論じた6月30日付の記事を紹介する。
都知事選はラストサンデーを迎えた。各種情勢調査は小池氏先行、蓮舫氏が追い、間を空けて石丸氏が追うというもの。「小池3選アジェンダ」が想定通りに機能している。
石丸氏を過剰報道で実質支援している中心が読売と産経グループ。目的は蓮舫票を石丸氏に移転させること。情勢調査では小池氏支持と蓮舫・石丸支持合計が拮抗する。石丸氏を浮上させなければ小池・蓮舫が大接戦という構図だった。
石丸氏に対する過剰報道には背景がある。そもそも、選挙期間中の選挙運動について、地上波放送は候補者の映像を放映しないのが通例ではなかったか。地上波報道で特定候補の動画映像を放映することは選挙の公平性、メディアの中立性を損ねる。
通常は選挙期間中の報道においては、候補者画像、音声を放映しないはずだと思われる。ところが、今回、地上波は小池、蓮舫、石丸、田母神の各候補の映像を流す。目的は石丸候補をクローズアップさせることと思われる。石丸氏を取り上げるなら安野たかひろ氏も同列に取り上げるべきである。政策主張の斬新さでは安野氏の主張に明らかに分がある。
情勢調査などを利用して徐々に田母神氏の放映時間を短縮し、小池、蓮舫、石丸の3名をクローズアップする。しかし、そもそも今回都知事選には56名が立候補している。選挙戦において56名を差別して取り上げることは選挙の公平性、中立性に反する。
公職選挙法違反でつばさの党幹部3名が身柄を拘束され続けていることも不当な政治活動への介入と言わざるを得ない。小池氏3選の重大な障害になる可能性が高いからつばさの党が強制排除されたものといえる。
この国の政治でいま最重大の問題は何か。むろん、政治とカネの腐敗を排除すべきことは当然。東京都民が政治とカネ腐敗問題に審判を下すことも都知事選の大きなテーマだ。しかし、「都政の問題ではない」との声だけが拡張されて、「政治とカネ腐敗」が人為的に脇に追いやられている。これも「小池3選アジェンダ」の一環である。
「政治とカネ腐敗」は政治論議以前の問題であるとして、最重大な問題は日本の諸制度運営がグローバル巨大資本によって仕切られていること。米国を支配する巨大資本が日本の諸制度改変を強行している。これが実は最重大の問題である。
一次産業と食の安全、公共インフラ収奪、軍事大国化、国民統制・ワクチン強要などの重大問題が広がる。
※続きは6月30日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「日本政治構造の深層を読む」で。
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