福岡・大川市が「大川の駅」建設問題で住民署名の受け取りを拒否
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家具の街として知られる福岡県大川市。同市大野島で2028年3月の開業を予定している観光拠点施設「大川の駅」について市民から反対の声が挙がっている。
先月13日、市民団体「市の将来を考える会」(以下、考える会)は13日、計画に反対する市民5,900人の署名を市に提出した。「考える会」には、現職の大川市議会議員や、自民党の元県議会議員、中小企業経営者をはじめ多くの市民が名を連ねている。署名活動は今月末まで行われ、来月再び市に提出される予定だ。なお、大川市内の70か所を超える場所に反対の幟が立てられている(※写真)。
ところが、大川市側は、「誤った内容で署名が集められており、受け取りはしかねる」として署名の受け取りを拒否した。対応したのは、所管の大川の駅整備振興課主幹らであった。この対応に署名を持参した「考える会」は反発し、現在、署名簿は、庁舎内で保管されている。
同日、倉重良一市長は定例の記者会見において「会の活動の在り方に瑕疵がある」と述べ「市民に誤った情報を植え付けて集めた署名」と住民の声を否定する発言を行っており、6月議会においても同様の答弁をしている。
いずれにしても、市民運動が盛んな都市部と違い、保守的な福岡県南地域で、行政の肝いりの施策に反対の市民運動が起きるのは異例なことである。
「大川の駅」建設予定地は、有明海沿岸道路の大野島インターチェンジ近くの筑後川の中州にあたる場所である。(※写真)市は大川家具で有名なインテリア産業をアピールし、県内外や海外からのインバウンド客など年間100万人の来場を見込んでいるが、市民の間からは、財政面などから疑問の声が聞かれる。
また、大川市が作成したハザードマップでは、「大川の駅」建設予定地は、高潮の危険性が指摘されるエリアにある。
「大川の駅」構想は、前市長で、現在、福岡6区選出の衆議院議員・鳩山二郎氏の在任中に用地その他が決定された。倉重市長も継承しており、国土交通省筑後川河川事務所と連携して「かわまちづくり計画」を策定するなど着々と進めてきた。
「考える会」のメンバーでもある龍誠一大川市議会議員は、データ・マックスの取材に対し「市長や特定の議員が、市民の声を無視して強引に進めることはあってはならない」と語った。
「大川の駅」構想や市長派議員による議会運営の問題などについて今後、取り上げていく。
【近藤将勝】
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