韓国の化粧品輸出額、世界第4位を維持(前)
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日韓ビジネスコンサルタント
劉明鎬 氏昨年は85億ドルの輸出
昨年、韓国の化粧品輸出実績は、85億ドル(11兆468億ウォン)となり、10兆ウォンを突破。10年連続の黒字とともに、2年連続で化粧品輸出において世界4位の座を守った。ちなみに、化粧品輸出の世界1位はフランスで、2位は米国、3位はドイツ、韓国は4位である。化粧品の輸出額は増加を続け、今年1月~5月の輸出額は、39億6,700万ドルとなり、前年同期対比(33億4,300万ドル)で20%も伸長している。
世界的に韓国の化粧品が売れている理由として、韓国の化粧品がリーズナブルで、かつクオリティが高いことが挙げられる。現在のように経済が低迷していると、消費者は安くてクオリティの高い商品を求めることになる。そのような状況下、口紅や日焼け止めなど、韓国の化粧品はアメリカや日本で人気を博し、韓国の化粧品輸出が増加する一因となった。
また、韓国の化粧品企業は消費者のニーズをいち早くキャッチし、トレンドに合った商品に仕上げる能力と品質力を有している。また、韓流ブームも影響している。韓国ドラマは海外で人気が高い。ドラマに興味をもつようになると登場人物が使っている化粧品にまで興味がおよぶようだ。そのようないくつかの要因が重なって韓国の化粧品は世界で売れている。
輸出を牽引するのは中小企業
化粧品の輸出を分析してみたところ、今年の第一四半期における韓国化粧品輸出額のなかで67.4%は中小企業による輸出である。日本でも大ヒット商品となったBBクリーム、クッションファンデーション、シートマスクなどは、韓国の中小企業で開発され、世界的に売れた良い事例である。
最近はSNSをうまく活用することで、あまり資金力のない中小企業でも、少ないマーケティング費用でも市場で成功を収めている。
低刺激スキンケア製品を主に販売するグダイグローバル社の日焼け止めクリームは、米国で人気が急増し、飛ぶように売れている。同社の日焼け止めクリームはアマゾンで日焼け止めクリーム部門1位にランクされている。
同社の売上高は2020年は1億ウォンに過ぎなかったが、日焼け止めクリームがヒット商品となり、売上高は2,000億ウォンを上回るようになった。また、化粧品の輸出が増加することによって、株式市場で注目が集まっている企業がある。シリコンツーという企業である。
同社は化粧流通企業であるが、化粧品ブランドを430以上取り扱っており、それを海外に販売する企業だ。「朝鮮美女」を始め、最近ヒット商品となったブランドをいくつも取り扱っている。莫大な費用を使えない中小企業だけに、オンラインを中心にビジネスを展開しているが、そのブランド力がオフラインにまで拡大されると、海外での売上が今後さらに成長すると予測されている。
(つづく)
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