福岡市、街灯LED化に大幅な遅れ~無駄なコストも浮き彫りに
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福岡市が管理する街灯をLEDに移行する計画が大幅に遅れている。約3万5,000基の照明を15年かけてLEDにする計画だが、3年経過した時点で8%しか終わっていない。10月9日、公明党福岡市議団の楠正信委員が行った、福岡市議会決算特別委員会における質疑で明らかにされた。
福岡市は、2014年から2026年までの15年間で、市が管理する街灯をすべてLEDに取り換える計画だ。清森俊彦道路下水道局長によれば、LED交換対象の街灯(水銀灯、ナトリウム灯、セラミックメタルハライド)は14年時点で3万4,570基、計画開始から3年後の14年3月までに、2,853基の交換を完了しているという。進捗率の内訳は1年で平均3%、3年で全体の約8%の街灯がLEDに取り替えられた。これに対し楠委員は、「毎年3%の進捗率では、目標の15年の倍、30年はかかってしまう」と指摘し、計画の内容について説明を求めた。
答弁のなかでほかの問題点が浮上した。費用面について、楠委員は2014年のLED事業の決算額から、1基当たりの工事費を25万1,000円と算出し、コストの高額さを主張。また、福岡市が実施している照明器具ごと取り替える方法に対し、姫路市では照明器具の内部を改修してLED化することで、福岡市より約7万円も工事費を削減していると付け加えた。
一方、清森局長は、内部だけを取り替えると、外側をLEDに合わせる費用がかかる、耐久性にも影響がおよぶため、照明器具ごと取り替えるほうがコスト削減になると主張した。しかし、楠委員の調査で、福岡市は交換した後の照明器具の素材や傷み具合などのデータを調査していないうえ、廃材になった照明器具の詳細も把握していないことが発覚。コストに対する認識の甘さを露呈する結果となった。
ほかにも、楠委員は福岡市の街灯の形に統一性がないことも指摘し、少なくとも都市景観形成地区の街灯は調和のとれたものにして欲しいと要望した。清森局長は、3社から受注をしているため、各会社の仕様で街灯の形が変わると説明。今後は、街灯が混在しないよう業者ごとに工事区間を設けるなど配慮していくと述べた。
【川元 浩明】
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