2024年12月27日( 金 )

牛タン倶楽部と維新2県議

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 NetIB-NEWSでは、政治経済学者の植草一秀氏のメルマガ記事を抜粋して紹介する。今回は兵庫県の斎藤知事について「知事の椅子にしがみついているが、その姿勢が断罪されるときは確実に迫っている」と論じた7月25日付の記事を紹介する。

兵庫県西播磨県民局長・渡瀬康英氏が本年3月12日に配布した告発文書。「斎藤元彦兵庫県知事の違法行為等について」に記載されたのは以下の7項目。

1.五百旗頭眞先生ご逝去に至る経緯
2.知事選挙に際しての違法行為
3.選挙投票依頼行脚
4.贈答品の山
5.政治資金パーティ関係
6.優勝パレードの陰で
7.パワーハラスメント

ワイドショーなどでは4と7が取り上げられることが多い。渡瀬氏は3月12日の告発と同内容を4月に入って公益内部通報している。最初から公益内部通報にしなかった理由は内部通報窓口が被告発者である齋藤元彦知事の支配下に置かれていたからと推察される。

この事案に関連して、すでに3名の命が失われている。1人は上記7項目の1番目にあるひょうご震災記念21世紀研究機構理事長・五百籏頭眞氏の死去。国と兵庫県が共同出資する(公財)ひょうご震災記念21世紀研究機構理事長を務める五百旗頭真・神戸大学名誉教授に対し、同氏が全幅の信頼を置く2人の副理事長を解任する方針を片山副知事が通告。その直後に五百旗頭理事長が急逝した。項目5にある優勝パレードを担当した総務課長(当時)は一連の不正行為と大阪府との難しい調整が原因でうつ病を発症したとのこと。

この課長は、後に自死に追い込まれた。渡瀬氏の告発に対して兵庫県副知事と人事課長は、3月25日に赤穂郡上郡町にある西播磨県民局を無連絡で訪れ、告発した渡瀬氏のパソコンを押収。2日後の3月27日、兵庫県は同月末退職予定者のなかに懲戒処分の可能性が高い不適切行為が確認されたとして、3月31日付人事異動の一部を取りやめることを発表。人事異動取りやめの対象は、3月末に定年退職予定だった渡瀬康英氏と文書作成や流布に関わった疑いがあるとされる自己都合退職予定の産業労働部次長の女性。

齋藤知事は3月27日の定例記者会見で「業務時間中なのに嘘八百含めて文書をつくって流す行為は、公務員としては失格。被害届や告訴などを含めて法的手段を進めている」と発言した。

他方、上記総務課長は4月1日に異動人事で県の外郭団体に出向となった。その元総務課長が4月20日自殺した。その後、兵庫県は5月7日に渡瀬康英氏を停職3カ月の懲戒処分にしたと発表。県は、文書で名前があげられていた県職員や企業関係者ら全員に対してヒアリングを実施した結果、記載されたすべての事案で核心的な部分が事実ではないとし、文書は誹謗中傷にあたると認定した。

※続きは7月27日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「牛タン倶楽部と維新2県議」で。


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