鬼木誠防衛副大臣、選挙区で南極の氷を配布~公選法抵触の疑いが指摘される
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自民党の鬼木誠防衛副大臣が、今月、海上自衛隊の砕氷艦「しらせ」が南極で採取した氷を展示する催しを開き、鬼木氏や秘書が氷を砕いて紙コップに1片ずつ入れ、小学生らに配っていたことがわかった。催しは、昨年から5回にわたり行われていた。日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗」が30日付の朝刊で報じていた。
関係者によると、鬼木氏は今月21日、福岡市内の公民館で開かれた「南極の氷体験会」に参加。同市内の小学校に通う児童や保護者、約40人が参加したなかで、「しらせ」が採取した南極の氷を持参し、砕いて紙コップに入れて参加者に配布したという。
また、鬼木氏は、昨年行われた体験会についてFacebookで報告していたが「貴重な氷を私だけでもっておくのはもったいないので地域の子ども達と共有することにしました」と述べたうえで「地理や自然や環境など、子ども達の興味関心が広がっていけばなによりです」と語っていた。
地元・福岡市民に話を聞くと、賛否が分かれており「金銭的提供ではなく、子どもたちの科学や世界に対する好奇心を高めること自体は、目くじらを立てることではないのでは」との声がある一方、「地元の小学生を対象としたものだが、その背後には保護者がいる。便宜供与ではないか」と鬼木氏の行為を問題視する声も上がっている。
鬼木氏は、報道各社の取材に対し「政治利用の意図は一切なく、子どもたちに南極の氷に触れてもらい、自衛隊のことを知ってもらう良い機会だと思った」と述べ「公選法には抵触しないと考える」と釈明。当社に対しても31日付で鬼木氏の事務所より、書面で同様の回答があった。
林芳正官房長官は、30日の記者会見において「個々の議員の活動に関わることであり、コメントは差し控えたい」と述べるにとどめ、政府としての見解を示していない。
一方、共産党書記局長を務める小池晃参議院議員は、同日の会見で「鬼木氏は(赤旗の取材に)回答をされていない。これは重大で、海上自衛隊の砕氷船で採取した南極の氷は、非常に貴重な価格的にも大事なものだが、税金を使って採取したもの」と指摘し、「自分の選挙区内で配るのというのは、公職選挙法違反に関わる問題になる可能性がある。明確な説明を求めていきたい」と、今後追及していくことを明らかにした。
【近藤将勝】
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