韓国企業にとっての脅威「RE100」(前)
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日韓ビジネスコンサルタント
劉明鎬 氏「RE100」による輸出額減少の可能性
地球温暖化や気候変動の影響は、ますます深刻化しており、その解決策として温室効果ガスの排出削減が世界的な課題となっている。そのような状況下、韓国企業にも二酸化炭素をまったく排出しない再生可能エネルギーの導入が要求されている。とくに国際的な取引をする企業には、すべてのエネルギーを再生可能エネルギーで賄う「RE100」への参加が推進されている。
「RE100」とは、「Renewable Energy 100%」の略で、遅くとも2050年までに企業が使用するエネルギーのすべてを再生可能エネルギーにするという国際的なイニシアチブである。2014年にイギリスに本拠地を置くNGO団体「The Climate Group」によって主催されたキャンペーンで、現在、アップルやGoogle、BMWなど、400社超の世界的企業が参加している。企業は、「RE100」に参加することで、環境負荷を削減し、持続可能なビジネスモデルを構築することを目指す。韓国ではSKグループ、サムスン電子、現代自動車、ネイバーなどが参加している。
再生可能エネルギーとは、太陽光、風力、水力、地熱など、自然に存在するエネルギーのことで、化石燃料を使わないので、燃料費がかからず、環境に優しいことが特徴だ。エネルギーを多く使う企業が従来の化石燃料の使用をやめて、再生可能エネルギーを使えば、炭素の排出がほぼゼロになるので、脱炭素社会の実現となる。
ところが、今年2月、韓国貿易協会が韓国の100万ドル以上の輸出企業610社を対象にアンケートを取った結果、アンケートに応じた企業の54.8%は、「RE100」を知らないということがわかった。そのような状況下で、韓国輸出企業の16.9%は、バイヤーや元受け企業から再生可能エネルギーを使うようにと促されている。こうした要求に応じるためにも、輸出企業は価格競争力のある再生可能エネルギーを調達する必要がある。
「RE100」に参加している外国企業は、22年を基準に全体電力の約50%を再生可能エネルギーで賄っている反面、「RE100」に参加している韓国企業の場合、全体エネルギーのなかで再生可能エネルギーの比率は、9%程度に過ぎなかった。
再生可能エネルギーの使用率が低いなかで、韓国企業に再生可能エネルギーの使用を急激に増やすように要求しても、無理かもしれない。そのため「RE100」を実現できないと、韓国企業の輸出に影響が出るのではないかと懸念されている。韓国企業が40年まで「RE100」を実現できない場合、輸出額は40%ほど減少する恐れがあると専門家は指摘している。
(つづく)
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