台湾総統選候補が市長職を休職し選挙へ~市民から大批判
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来年1月の台湾総統選挙に向け、土壇場で与党国民党の公認候補となった朱立倫主席は、兼任する新北市の市長を3カ月間休職し、総統選挙に専念することとなった。その期間の公務は副市長が引き継ぐ。台湾では、首長職を「休職」しての総統選出馬に法的な問題はないが、市民からは「休職ではなく辞職が本来」「総統選のために市政を差し置くのは言語道断」などといった批判が相次いでいる。
朱氏は昨年11月の統一地方選挙で、新北市長に再選。台湾の6つの直轄市の中で、唯一の国民党系の市長だ。国民党としては、総統選の見通しも厳しく、さらに、新北市は「最後の砦」となるだけに、辞職してまで総統選に臨めば「すべてを失う」という可能性もある。朱氏が、総統選に敗れた場合でも、休職から復帰し、市長を続ける意向があるが、市民らからの風当たりは相当なものになると予想される。
台湾メディア関係者は「朱氏は党主席というポジションに居ながら、他の実力者に比べ影が薄く『主張が弱い』とされてきた。今回の『休職』という決断も、どこか中途半端で、朱氏らしい選択となった。『受動的』での出馬イメージがついている中で、払拭していくのは厳しいのではないか」と話している。
現時点での台湾世論調査では、支持率が野党・民進党の蔡英文主席が40%に対して、国民党の朱氏が20%前後、親民党の宋楚瑜氏が15%前後で、国民党の情勢は依然として厳しい。新北市長を休職して総統選に臨む朱氏が、残り期間でどう巻き返すのかが注目される。
【杉本 尚丈】
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