2024年11月23日( 土 )

枝野前代表・立憲代表選に出馬表明~自民に代わる選択肢を提示できるか

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 立憲民主党の枝野幸男前代表は21日、国会内で記者会見を開き、立憲の代表選に立候補する意向を表明した。代表選は自民党総裁選の日程とほぼ重なる9月7日告示、23日投開票。出馬表明をしたのは枝野氏が初めてとなる。

 11月に衆議院解散が行われるという見方が強まるなか、政権選択選挙となる衆院選に向け、立憲の代表選も次の首相を選ぶ選挙になる可能性が出てきた。

 枝野氏は、会見で「ヒューマンエコノミクス 人間中心の経済」と書いたフリップを示しながら、旧統一教会問題や自民党派閥の政治資金問題を踏まえ「国民は新しい政治の選択肢を求めている。自民に代わる新たな国民政党を目指す」と政権交代への意欲を述べた。

 党内で賛否がある野党共闘については、「いろいろな政党との地域ごとの連携は大事にする」と述べ、共産党を含むほかの野党との全国一律での共闘は行わず、地域の実情を踏まえた連携を目指す考えを示した。野党共闘の見直しは、共産党や共闘を進めてきた市民団体などから反発が起こる可能性がある。

 具体的な政策として、選択的夫婦別姓を可能とする民法改正や同性婚を法制上可能にできるといったジェンダー平等に関する政策を掲げた。別姓や同性婚は、女性団体や自治労、日教組など旧社会党系の公務員労組の支持につながる。

 一方、原発政策に関しては、「原子力エネルギーに依存しない社会を目指す」と党綱領にある原発ゼロ路線を軌道修正した。これは、支持団体の連合に加盟する電力総連などに配慮したものとみられる。

 憲法改正に関して、自民党や保守系が主張している自衛隊の条文明記は「国民的な合意が得られるとは思っていない」として反対を明らかにした。緊急事態条項についても「(権力の乱用につながる)独裁条項というべきで論外」と否定した。

 枝野氏は、泉代表の再選に不支持を明らかにした小沢一郎氏らと会合を行い、党内の状況を探ってきたが、自身が顧問を務めるリベラル系で党内最大グループの「サンクチュアリ」(約30人)の所属議員などから出馬待望論があったことが出馬表明を行った背景としてある。

 ただ、自民党は検討を含め、10人以上総裁選出馬に意欲を示す議員がいる一方で、野党第一党の立憲は、現時点でリベラル色が強い前代表しか代表選への出馬を明らかにしておらず、「自民党総裁選に埋没しかねない」と立憲の保守系議員は危機感を募らせる。

 代表選には、泉健太代表が出馬の意向を固めているほか、野田佳彦・元首相が党内保守系の後押しを受け、出馬を検討しており、今後の展開が注目される。

【近藤将勝】

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