2024年11月21日( 木 )

徹底した顧客目線を追求 「アイケンイズム」を全国に

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(株)アイケンジャパン

 賃貸アパートの企画・販売および設計・施工・管理などを手がける(株)アイケンジャパン。同社では2006年の設立から現在に至るまで、「堅実なアパート経営」を可能にする付加価値の高いアパートづくりを行い、高い入居率や収益稼働率を維持し続けている。同社の「これまでと、これから」について、中島厚己社長に話をうかがった。

「堅実」がコンセプト 顧客に選ばれる2つの要因

アイケンジャパン 中島厚己代表
中島厚己代表

    (株)アイケンジャパンの代表・中島厚己氏は1985年、20歳のときに不動産賃貸会社に入社。97年に投資用アパートの企画・販売などを手がける会社に転職して建築企画のノウハウを学び、2006年8月に(株)アイケンホームとして設立。14年4月に現商号に変更して東京に拠点を開設。その後も営業エリアを拡大し、現在、国内に11拠点、国外に1拠点(台湾)の計12拠点を構えている。

 「堅実」をコンセプトとして掲げる同社は、99.3%の入居率、98.7%の収益稼働率(※1)という極めて高い実績を誇っている。また、物件購入後のアパート経営の継続率やリピート率も高い水準を維持しており、全国各地のオーナーからの信頼度の高さを裏打ちするかたちだ。

 これほど顧客に信頼され、選ばれるのには「2つの要因がある」と中島社長は語る。1つ目の要因としては、「長年在籍していた賃貸業界での経験を基に、居住者が住まいに求める『ツボ』を押さえていること」だという。徹底したエリア選定、使い勝手の良いこだわりの間取り、防音・遮音性能の高い「人気物件」を提供することなどが高い入居率、収益稼働率の下支えとなっている。

 同社が手がけるアパートの入居者は、部屋探しの基準が高い社会人の女性をターゲットとしている。そのため、たとえば住居と住居の間を水回りや収納で仕切ることで防音・遮音効果を高める、地形に合わせて全室角部屋になるようにするなど、さまざまな工夫を凝らしている。

 そうした入居者目線の物件づくりを可能にしているのが、自社に30人超の設計部隊を抱える「内製化」戦略だ。多くの同業者は設計を外注しているため、設計を依頼された会社は往々にして低コストで建築できる設計を行いがちとなる。しかし、アイケンジャパンには営業社員と同等数の設計士が在籍するため、入居者目線を徹底した「痒いところに手が届く」物件の提供が可能となっているのだ。

3階建てで収益性が高いレガリストシリーズ
3階建てで収益性が高いレガリストシリーズ

    2つ目の要因として、中島社長は「社員全員が一枚岩になることができるチームワークの良さ」を挙げる。社員全員がまっすぐに業務に向き合っていることがお互いによくわかっているため、お互いに協力し合える風土が醸成されているという。こうした同社の雰囲気の良さが顧客にも伝わるのは当然で、「こんなにも真摯に仕事に取り組んでいる社員がいる会社なら、安心して物件を購入できる」といった声が届けられることも少なくない。

 アイケンジャパンでは、チームワーク向上を図るべく、さまざまな取り組みを行っている。入社2年目までの若手社員を対象とした、月に1回開催する「02会議」では、中島社長も参加して、自由に意見を述べられる場を設けている。昨年末には4年ぶりに社員旅行を開催。その際に忘年会を兼ねたかくし芸大会も催し、自由参加ではあるが、ほとんどの社員が積極的に参加して毎年大いに盛り上がっているという。

 また、中島社長は社員の誕生日には必ずプレゼントを手渡している。このような取り組みが社員の愛社精神、帰属意識の高まりにつながっているのは間違いないだろう。

持株会社体制に移行 アイケンイズムを全国に

 7月1日付けで、(株)アイケンホールディングスを設立し、(株)アイケンジャパン、イデアハウス(株)、(株)ATMリアルエステート、(株)アイケン建設、(株)AND LIFE、(株)東京おだふじの事業会社6社を傘下に置く持株会社体制に移行(※2)する。今後もM&Aを積極的に行っていき、「アイケンイズムの輪を広げていきたい」と中島社長は語る。これは、どのような意図を秘めた言葉なのか。

 「アイケングループ内で、不動産・建築に関わるビジネスをすべて完結できるよう、全国にさらなるネットワークを広げていく、というビジョンです」(中島社長)。

 実際、22年に子会社化した、分譲住宅事業を手がける「(株)イオスコーポレーション:現・イデアハウス」は、これまで福岡県内のみで展開してきたが、今年1月、熊本に事務所を新設している。「全国にグループのネットワークを広げ、『アイケングループで不動産を買って良かった』と1人でも多くの方々におっしゃっていただけることが目標です」(中島社長)。

 今年8月で設立18年を迎えるアイケンジャパン。この先10年、20年、100年と企業を存続させていくためには何が必要かと尋ねたところ、「変化を恐れず、常に挑戦していくこと」という答えが返ってきた。そのためには経営陣の柔軟な思考のほか、周囲にイエスマンのみを置くのではなく、時には耳の痛い意見を言う社員が必要不可欠で、最終的にトップがそうした意見を集約することで社員のベクトルを一方向に向ける必要があるという。

 徹底した顧客目線を追求したうえで、風通しの良い組織づくりにも尽力する同社のスピリットが全国に波及していくのは、それほど遠い未来のことではないだろう。

アイケンジャパンでは毎年度スローガンを設定している
アイケンジャパンでは毎年度スローガンを設定している

※1:アイケンジャパンが独自に掲げるアパート経営の新基準。新築満室時の年間家賃収入想定(100%)に対して、実際にどれだけ家賃収入があったかを示す指標。 ^


<COMPANY INFORMATION>
代 表:中島厚己
所在地:福岡市中央区天神2-7-21
    天神プライム12F
設 立:2006年8月
資本金:1億円
TEL:092-739-6655
URL:https://aikenjapan.jp

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