2024年12月22日( 日 )

新事務所落成、新体制始動 「経営助言できる組織」へ

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アストル税理士法人

(左)林田俊一代表、林田俊貴副代表
(左)林田俊一代表、林田俊貴副代表

 42年にわたって税理士業務を行ってきた林田税理士事務所は、2017年8月、フランス語で「恒星、星、天体」を指すastre(アストル)を冠したアストル税理士法人として新たな道を歩み始めた。23年7月には、創業者・林田俊一氏の子息で税理士の林田俊貴氏が代表に就任した。新体制が始動した同社は24年6月、老朽化した現事務所跡に、鉄骨造・2階建の新たな事務所ビルを竣工させた。

福岡・飯塚で42年 昨年は新体制がスタート

 「顧客が儲かることが一番の喜びです。そして、その顧客がどんどん規模を拡大して成長していく姿をたくさん見たいですね。また、当法人の理念は、『当法人に関わるすべての方々を幸せにすること』です。顧客だけでなく、従業員にも幸せになってもらわなければなりません」─そう語るのは、アストル税理士法人の代表を務める林田俊貴氏だ。アストル税理士法人は、2017年8月に法人化された。法人化の目的について同氏は、「家業からの脱却、そしてグループとしての規模拡大」と話していた。

 俊貴氏は、創業者・林田俊一氏の子息で飯塚市や大牟田市での税理士事務所勤務を経て税理士登録。15年には福岡市博多区で税理士事務所を開業し、法人化と同時に、アストル税理士法人の福岡支店の支店長も兼務してきた。

 40年以上にわたって税理士業務を行ってきた同社の経営のバトンが継承されたのは、23年7月。コロナ禍の影響で予定より遅れたものの、創業来、グループを牽引してきた俊一氏とともに、俊貴氏が新代表に就任した。創業者の俊一氏はこれまで、徹底した顧客・現場主義に基づき、アメリカや台湾、カンボジアなど海外各国への視察も精力的に行ってきた。さらに、19年6月、(一財)カンボジア地雷撤去キャンペーン(CMC)を通じて私財を提供し、カンボジアに小学校を落成するなど、国際貢献活動にも積極的に取り組んできた。校名は氏にちなんでCMCセクソク林田小学校と名付けられた。「カンボジアの教育格差を少しでもなくし、セクソク村から多くの知識人を輩出できれば」と俊一氏は話していた。

 「我々の中心顧客である中小企業が海外進出するとき、いつでもアドバイスできるよう情報収集を続けてきました。時代が変わっても、我々の存在意義は顧客の困りごとの解決であることに変わりはありません」と言い、俊貴氏には、「これまでの蓄積を生かし、スタッフには愛をもって接し、社会に感謝しながら成長できる組織にしていってほしい」と加えた。

新事務所ビル
新事務所ビル

財務コンサルに注力し淘汰の波を乗り越える

 俊貴氏は開業以来、税理士による記帳代行に頼らない経理システムの導入に意欲的に取り組んできた。TKC財務会計システム(※1)を顧問先に導入するなどの支援を行い、経理システムの構築およびチェック、事業に関する提案、月に一度の客先訪問による業務把握と財務に関するアドバイスなどを行っている。

 最も注力するのが、財務コンサルだ。「AIなどテクノロジーの発展により、税理士業務はいずれ淘汰される」と危機感を抱いており、より高度化したサービスを提供していくことを目標に据え、税務申告に必要な決算資料の作成だけでなく、会計資料の正確性や適時性の確認、経営者が素早く正確に意思決定するためのアドバイスに力を入れてきた。

 月次の決算書から、経営者の目標に沿って資金繰りの課題や事業の強みをアドバイスし、経営戦略をともに策定する。言語化しにくい部分を数字に裏打ちされた資料から言語化していく、というのが俊貴氏の考える財務コンサルだ。

 「企業成長のステージによって、求められるアドバイスは異なってきます。創業期であれば、借入の活用や固定費の見直しなど資金繰りが最も重要となります。成長期であれば、賃上げや経営力向上計画の策定などによる税額控除など、投資をともなう節税対策が求められます。また、いずれのステージにおいても、正確な数字を用いた未来予測は重要です」(俊貴氏)。

従業員主体で取り組む新体制の組織づくり

 法人化から7年、徐々に本店との連携により組織化も進んできたという。代表に就任してまず取り組んだのが、従業員委員会の設置だ。社内・社外の取り組みに対し、それぞれ委員会を設け、社員旅行や講演会の企画などに取り組んでいるという。報酬=評価制度についても、委員会を設けて従業員が自ら設けた仕組みでの運用に挑戦している。そして、法人化、新代表就任という新たな船出に際して、老朽化した事務所跡に、鉄骨造・2階建の新たな事務所ビルが竣工した。

 アストル税理士法人は、40年以上にわたって積み重ねた知見により、難易度の高い相談にも対応できる体制を整えてきた。俊貴氏は、「従来の税理士業務の必要性は薄れていくでしょう。ただ、会計を中心としたコンサルティングの役割は、これまで以上に求められるサービスとなってくるはずです。組織のあるべき姿について、まだまだ議論を進めていく必要があります。『税務』だけでなく、『経営助言』できる組織にすることが目標です」とこれからの組織の方向性を示した。

※1:会計事務所や税理士事務所、地方公共団体などの情報サービスを行う(株)TKC(栃木県宇都宮市)が提供する会計システム ^


<COMPANY INFORMATION>
代 表 :林田俊貴
本 店 :福岡県飯塚市椋本509-1
TEL :0948-22-7427
創 業 :1982年6月
設 立 :2017年8月
福岡支店:福岡市博多区吉塚本町2-44
TEL :092-624-1170
URL :http://www.new-concept.co.jp/hayashida

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