2024年09月02日( 月 )

首都圏の成長企業、福岡で挑む

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(株)ムゲンエステート

 首都圏中心に展開してきた(株)ムゲンエステート(東証スタンダード)。居住用や投資用などの不動産買取再販事業を主力に、新たな事業として不動産開発事業や不動産特定共同事業にも注力している。2024年1月に札幌、名古屋、福岡に営業所を開設した。人口増加が続く福岡において、同社が福岡に期待するものは何か、どのように事業を展開・拡大を図っていくのか。福岡営業所長・蓑輪浩士氏に話を聞いた。

1月に福岡へ進出、中心は買取再販

蓑輪所長

    ──今年、福岡に進出した理由と狙いは?

 蓑輪 当社はこれまで、東京を始めとした1都3県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)に特化して事業を展開していましたが、当社代表である藤田進一の、「日本一の買取再販を目指そう」という思いから、競合が激しい1都3県で基盤を固めた後に、全国展開していくという方針で事業を進めてきました。関東地方での営業所も軌道に乗り始めたこともあり、昨年の大阪を皮切りに、今年は札幌、名古屋、そして福岡と同時に3拠点を開設し、営業エリアを拡大しました。

 東京におきましては、1部屋から1棟までを対象にした買取再販事業を中心に事業を進めてきましたが、福岡においても同様に居住用不動産を中心とした買取再販を展開していきたいと考えております。物件の売買は仲介会社を通して行っており、オーナーと直接取引をすることは、ほとんどしておりません。まずは福岡市内の物件から始めており、徐々にエリアを広げていきたいと思います。

拡大市場に期待、店舗にも勝機

 ──開設から半年強が経過した福岡営業所の現状は?

 蓑輪 福岡市内については、東京と同様に人口がこれからも増えていくというイメージをもっておりますが、まずは足場固めといったところです。居住用不動産を中心に事業を展開していこうと考えていますが、福岡においても物件価格が上昇していますので、オフィスや店舗などの収益物件も手がけていこうと思っています。とくに、福岡のエリアの特性上、店舗(不動産)がかなり多く、東京周辺にはない特性ですので、空き店舗物件を中心に力を入れていこうと考えております。

 駅から離れているようなロードサイドの店舗物件などは、ある程度基盤が固まっていれば流動性、流通性がありますので、そういった物件を狙っていくと面白いのではないかと思っています。福岡においては入居するテナントが良質なものであれば、不動産の価値を向上することができる事例もあります。また、福岡は思っていた以上に車社会で、天神や博多に近いエリアの駅近物件でも駐車場が必須であるのは、東京とのマーケットの違いを感じています。
 初進出ということもあって少し慎重に進めてきましたが、人員もそろってきたこともあり、当初の計画を達成することは十分に可能ではないかと思っています。

福岡の物件「ダイヤパレス箱崎宮前」1502号。
内装への資金投入は商品性を高めることはできるが、
同社は眺望を大事にしており、
眺望の良い物件を中心に商品をそろえている
(提供:ムゲンエステート)

エリア拡大し、商品展開も視野に

 ──福岡市場の成長性をどう捉えていますか?

 蓑輪 福岡は東京をはじめ、韓国などからも需要があります。ただ、物件価格が急激に上がってきていますので、取得額や賃料水準に注意しながら取り組んでいきたいと考えています。ただ、ニーズはかなりありますので、市場のポテンシャルはかなり高いと感じています。福岡は九州の中心でもありますので、まずはここを基盤としていきます。そのなかで、佐賀や長崎にもチャレンジしていければと思っています。

 すでに、タワーマンションなどの物件をもたれている、韓国や中国といった東アジアを主体とした海外顧客の情報も入ってきます。福岡は、現場の肌感覚としても今後の成長可能性が期待できるマーケットだと思っています。個人的には、(今年から福岡に進出して)比較的慎重に事業を展開しましたが、もう少し攻めの展開をしてもいいと思えるくらいのポテンシャルをもっている市場だと思います。

 ──今後の福岡での事業展開は?

 蓑輪 知名度を上げるためにも、いろいろな物件を買って周知していければと考えています。また、福岡だけでなく北九州も、物件やエリアを間違えなければ可能性があると考えていますし、久留米なども狙っていきたいエリアです。熊本のTSMC関連も情報が入ってきますので、チャンスがあれば狙っていきたいと思います。さらに、競合が激しい1戸3,000万円台の物件に加え、将来的には地域の富裕層向けの1億円を超える物件にもチャレンジしていければと考えています。

 将来的には、買取再販事業に加えて新規事業である不動産開発事業や不動産特定共同事業についても、東京の本社と連携しながら福岡においても手がけていければと考えています。当社は、これまで東京を中心に事業をしてきましたので、福岡での知名度はあまりありませんが、東京から福岡へ転勤してきた人は少なからずいらっしゃいます。そういった方々は(当社を)認知していただいており、(物件の)情報を得ることもあります。

 福岡は九州全体の情報も集まりやすいですし、当社は全国展開しておりますので、情報を取捨選択しながら福岡での事業展開を拡大したいと思います。


<COMPANY INFORMATION>
代 表:藤田進一
所在地:東京都千代田区大手町1-9-7
    大手町フィナンシャルシティ
    サウスタワー16階
   :福岡市中央区天神1-3-38
    天神121ビル12階
設 立:1990年5月
資本金:25億5,200万円
TEL:03-6665-0581
URL:https://www.mugen-estate.co.jp/


<プロフィール>
蓑輪浩士・福岡営業所長

2008年4月にムゲンエステート入社。初めての福岡であるため、内示されてから福岡の不動産市場について社内研修のほか個人でも情報収集を行い、事前準備をして赴任した。現在、総勢9人の営業所を束ねる。群馬県出身。42歳

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