TSMCら半導体集積の熊本への波及効果は11兆円~九州FG試算
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九州フィナンシャルグループ(FG)は5日、台湾積体電路製造(TSMC)の進出などによる熊本県内の経済波及効果をめぐり「電子デバイス関連産業集積に伴う地域経済への波及効果の見直しについて」と題するレポートを公表。2022年から31年までの10年間の経済波及効果推計値は11兆1,920億円規模に達し、前回23年8月の試算(6兆8,518億円)より大きく増大するとの試算を発表した。TSMCが今年2月、熊本第2工場の建設を正式に発表したことを受け、波及効果が大きく増大した。
熊本へ新たに進出・投資する企業の数(21年11月以降)は23年8月時の90社から今回は171社へと大きく増えた。経済波及効果の内訳は、生産面(関連産業)において7兆5,343億円、投資面(関連産業土地造成など)において3兆6,577億円。各企業が本格稼働を開始する30年以降の生産面の経済波及効果額は毎年1兆6,944億円と推計している。
熊本県の域内総生産(GRP)に関しては、10年累計で5兆6,182億円押し上げると推計した。同県のGRPは九州FGによると21年時点で6兆4,000億円台であり、数年のうちに7兆円台に達する可能性があるという。
毎年1兆6,944億円と推計される経済波及効果において、もっとも大きいのは電子部品部門(毎年1兆2,195億円)だが、それ以外の幅広い業種にも大きな効果があると見込まれており、対事業所サービス(同754億円)を筆頭に同4,749億円にのぼるという。
九州FGはこうした試算・推計をめぐって、幅広い業種において投資、人材育成などの取り組みがなされることがその実現のポイントと指摘している。
【茅野雅弘】
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