アビスパ、初優勝目指す町田に完敗 福岡0-3町田
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サッカーJ1リーグアビスパ福岡は14日、ホームのベスト電器スタジアムにFC町田ゼルビアを迎えて第30節の試合を行った。
町田は、クラブ初のJ1昇格をはたした今シーズン、いきなりリーグ戦首位を独走する活躍を見せた。前節で引き分けたことで得失点差の関係で2位に後退したが、シンプルで強度の高いスタイルに日本代表クラスをそろえたタレント力はまったく衰えをみせない。
対するアビスパは、ここまで8戦未勝利と厳しい状況が続いている。試合内容自体は決して悪くないだけに、どうしても勝利という結果が欲しいところだ。
残暑のなかキックオフを迎えた試合は、いきなり波乱含みの展開となる。開始わずか5分、町田の日本代表DF中山雄太がアビスパFWウェリントンと交錯し、足を痛めて負傷交代。攻勢に出たアビスパに対し防戦に回る時間帯が多かった町田は、33分にコーナーキック時の攻防で元日本代表DF昌子源が顔を強く打ち、歯を2本折る怪我を負って交代を余儀なくされた。
守りの要を相次いで失った町田に対し、アビスパは何度かチャンスを迎えるがゴールは奪えず。前半終了間際には町田にも決定機が訪れるが、試合は0-0で折り返した。
後半になると、町田の黒田剛監督が「思ったよりもアビスパのプレスが弱く、サイドから侵入できていた。後半はそこに手を入れた」と試合後の記者会見で語ったように、町田が一転して攻勢に出る。51分、ロングスローの流れから町田MF藤本一輝が先制ゴール。5分後の56分には、同じく町田MF藤本のシュートがアビスパDF田代雅也にあたってコースが変わるオウンゴール。さらに69分には、町田FWナ・サンホがペナルティエリア外側から完璧なシュートを決め、町田が瞬く間に3点をリードした。
アビスパはFWシャハブ・ザヘディ、FW岩崎悠人ら攻撃的な選手を送り込んで反攻を狙うが、決定機には至らず試合はそのまま終了。アビスパは2連敗、さらには9試合未勝利となった。
試合後、挨拶のために場内を一周した選手たちにアビスパサポーターからブーイングが送られる場面もあった。チームや選手に対するリスペクトを欠かさないアビスパサポーターとしては珍しいブーイングだが、それだけ結果が出ていないという事実は見逃せない。
マスコミ各社から報道があった長谷部茂利監督の今季限りでの退任について、試合後に柳田伸明強化部長から説明が行われた。アビスパとしては来季も続投してほしいとオファーしたものの、長谷部監督との話し合いのうえで退任という結論に至ったとのこと。
アビスパの歴史を変え、誰もが想像もしなかった新しい世界を見せてくれた長谷部監督とともに戦えるのも、残りわずか8試合。悔いなく笑顔で送り出せるように、サポーターとして力の限り応援を続けたい。
【深水央】
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