2024年12月22日( 日 )

人が生み出すエネルギーこそが何よりも強く無限大

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(株)堀内電気

(株)堀内電気 太陽光発電システム

 電気工事全般から太陽光発電システムに重点を置き、それを大きな特色の1つとしている(株)堀内電気。第40回優秀経営者顕彰優秀経営者賞を受賞した堀内重夫氏の指揮のもと、近年は「屋根貸して事業」というユニークな取り組みで注目を集める。創業(1986年)から38年の歴史から見えてくるのは、現状に甘んじることなく常にチャレンジを続けてきた同社の柔軟かつ果敢な企業姿勢だ。

父親に対する憧れから電気工事業の世界へ

    代表取締役・堀内重夫氏が創業し育てた(株)堀内電気は今年で38年目を迎えている。

 「実のところ正確な創業年はもう少し遡ります。勤めていた会社を辞めて独立したのが1982年、23歳のころです。当初は工務店の仕事を請け負ってやっていましたが、電気工事組合に入り本格的に電気工事を始めた時を公の創業年としています」。

(株)堀内電気 堀内重夫代表
堀内重夫代表

    父親が(株)九電工に電気工事士として在籍していたことで、幼い時からそうした仕事に対する憧れを抱いていたという堀内氏。高校卒業と同時に迷うことなくこの業界に飛び込んだという。

 そんな同氏に長く企業活動を続けてこられた理由は何かと問いかけてみた。

 「やはり一番は、人と人の付き合いを大事にしてきたことではないでしょうか。いろいろと助けていただくこともありましたし、何より多くの方々と接することで自分を高めていく良い機会を得られました。今日、私が福岡電気工事業(協)の理事長という立場にあるのも、その延長のように思います」。2017年に同副理事長、21年から同理事長に就任。加えて福岡県電気工事業工業組合の副理事長の職責も担っている。後進を育て業界を発展させていく存在。それが現在の堀内氏だ。

始まりはモルディブ共和国における技術支援活動

 同社が取り組むのは、受変電、送電、電気空調、通信工事など、いわゆる電気工事全般であるが、昨今は太陽光発電システムに重点を置いており、大きな特色の1つとしている。

 そのキッカケはモルディブ共和国での太陽光関連技術支援活動だ。1997年、現地の太陽光発電設備の設置工事に協力してほしいという話が舞い込んできた。堀内氏は「面白そうだ」という単純な理由で引き受けたが、これが主力事業へと発展していくわけだからビジネスは面白い。

 太陽光発電に興味を抱いた同氏は以後、自己流で試行錯誤を繰り返していくが、転換期は2012年のFIT(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)の始まりだ。メガソーラーの建設ラッシュが起こり、当然の如く同社もメガソーラーに関わっていくことになった。

 「大規模工事には困難もありました。たとえば地権者との交渉や電力系統への申請業務、土地の造成、さらには資材の調達など解決しなければならないことの連続です。でも、そこで培った経験が当社の底力になりました」。

 産業用物件の需要急増から、やがて自社でもメガソーラー開発を始めることになる。15年に運転を開始した長崎県西海市の「堀内八木原ソーラーパーク」はその代表格だ。

 そして堀内氏は23年に第40回優秀経営者顕彰優秀経営者賞(日刊工業新聞社)を受賞。総合電気設備業としての長年の業績、太陽光発電におけるパイオニア的活躍が高く評価されたのだ。

積極的なM&Aへの取り組みで事業を拡大

 同社はメガソーラー開発と並行して、M&Aも積極的に進めてきた。大きな成功例が2000年に買収した(株)eパワーだ。eパワーはM&A以降の業態変更により一気に売上高が3,000万円から3億5,000万円に、従業員が5名から30名になるなど、予想できなかったほどの急成長を遂げている。また、16年買収の(有)太宰府電工は官公庁受注に強く、20年買収の(株)アールは、沖縄での堀内電気の事業拡大につながっている。

(株)堀内電気 「屋根貸して事業」    最近の話題として注目すべきは、22年からスタートした「屋根貸して事業」だろう。顧客から屋根を借り受けて太陽光発電設備を無料で設置し、生まれた電気を顧客に買い取ってもらうというもので、契約期間中は堀内電気がメンテナンスを一手に引き受ける。期間満了後、太陽光発電設備は顧客に譲渡され、顧客は余剰電気の販売収入を得ることになる。初期費用も管理コストも不要なうえ、場所貸しだけで太陽光発電設備を手に入れることができるわけだから魅力的だ。

 この事業では福岡銀行の推薦もあり、福岡県主催のSDGs推進セミナーに堀内氏が講師として招かれている。SDGsを積極的に取り組もうという事業者の堀内電気への信頼度はますます高まっている。

顧客との良好な関係を築いていけることが強み

 原点は子ども時代に抱いた父親に対する憧れ。その想いが同社をここまで成長させてきた。もちろん、38年の歴史においては紆余曲折もあっただろう。堀内氏を支えてきたのは、仕事に対する誇りと周囲の人たちの存在。そして、その大切さを強く認識する同氏の意志の強さにほかならない。

 「太陽光発電は、取り入れる事業者にとっても私たち堀内電気にとっても、すぐに結果が出るものではありません。とても息の長いお付き合いです。だからこそ私たちはしっかりとサポートし、よい関係を築いていきます」。そう語る堀内氏の言葉からわかること。それは人が生み出すエネルギーこそが、何よりも強く無限大だということだ。


<COMPANY INFORMATION>
代 表:堀内重夫
所在地:福岡市博多区浦田1-5-46
設 立:1997年4月
資本金:4,000万円
TEL:092-513-3377
URL:https://www.horiuchi-e.co.jp

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