スポーツを通じた教育であらゆる社会課題を解決していく

リーフラス（株）

「非認知能力」の可視化で子どもに合った育成を

　創業時から一貫してきた子どもたちの「ココロに体力を。」というコンセプトのもと、全国でサッカー、野球、バスケットボールなどのスポーツスクール事業を展開するリーフラス（株）。

　同社は「スポーツを変え、デザインする。」という企業理念を掲げ、2001年8月に設立された。スポーツ事業とソーシャル事業を柱としたビジネスにより、社会課題の永続的解決を目指し年々事業を拡大。現在では41都道府県での事業展開を行っており、スクール数約4,500拠点、会員数約6万6,000名（24年2月時点、22年連続増員、加盟店スクールの会員数を含む）、23年12月期のグループ合計売上高92億9,285万円と、全国トップクラスのスポーツ&ソーシャルビジネスカンパニーとなっている。

　スポーツ事業は「スクール」「イベント」「アライアンス」の3事業で構成されており、スポーツ指導現場でいまだに根強く残る上意下達の強制、勝利至上、根性主義といった環境を変え、暴言や暴力をスポーツから排除することで、スポーツ本来の魅力を活用し、子どもたちを健やかに育む方針でスクールを運営。非認知能力の向上を図る「認めて、褒めて、励まし、勇気づける」指導を徹底している。

　“人間力”とも呼ばれ、現代の教育において注目されている「非認知能力」を重要視する同社は2022年に、これまで蓄積してきたスクールでの経験値を基にスポーツ心理学の専門家と共同で非認知能力測定システム「みらぼ」を開発した。

    現代社会の教育の基準となっているIQテストや学力テストで測定できる「認知能力」ではなく、学力テストなどでは測れない「非認知能力（生きる力）」を可視化することで、子どもたちの特徴や能力を把握し、指導者や保護者がより良い育成方法を選択することが可能になった。「みらぼ」は簡単な設問に回答することで「非認知能力」のタイプや高さが視てわかるため使いやすく、子どもの成長につなげるための目標設定にも活用できる。

　「リーフラスが定義する非認知能力は大きく分けて『挨拶・礼儀』『リーダーシップ』『協調性』『自己管理力』『課題解決力』の5つです。これらを中心に子どもたちの能力を伸ばしていくことがより良い社会の実現につながっていきます」と伊藤清隆代表は笑顔で語る。

部活動の地域移行推進の頼れるプロフェッショナル

    もう1つの柱であるソーシャル事業は「部活動支援」「地域共動」「ヘルスケア」「放課後等デイサービス『LEIF』」の4事業で構成。部活動支援校は24年5月時点で累計1,565校にのぼり、名古屋市立小学校全校、東京都港区立中学校全校の支援事業は日本初の自治体全体での小・中学校部活動の民間委託事例となっている。

　このことについて、伊藤代表は「昨今、学校現場には部活動種目と担当顧問のミスマッチや教職員の過重労働など、さまざまな問題が存在しています。部活動が子どもたちに与える影響は計り知れません。海外では部活動を外部に委託し分担することは当たり前ですが、日本では教職員がすべてを担当します。ですので、部活動を通した教育は我々プロに任せて、教職員の方々は学校生活内で子どもたちと向き合えるよう、負担の軽減につながればと考えています」と言う。

　これまで培ってきた実績とノウハウから、地域特性や自治体の予算などに合わせた支援スタイルを提案できるのがリーフラスの強みだ。加えて、同社は部活動地域移行・地域連携の制度設計やアドバイスをする統括コーディネーター事業を受託した。独自予算をもつ市町村と国の補助事業受託契約の両輪で、部活動運営の適正化を図っていく。

海外展開も視野に永続的な教育を広げる

    安定して伸び続けるスポーツスクールと今後ますます加速化していく部活動支援事業で、国内でさらなる存在感を示す同社だが、今年は海外へも目を向ける。

　「海外は日本人が経営するスクールも多いため、M&Aを積極的に行いたいと考えています。アジアやアメリカ、ヨーロッパへの進出を目指し「非認知能力」育成を世界に広めていきたいですね」（伊藤代表）。

　他社にはマネできない、独自のサービスを提供し、業界を牽引し続けるリーフラスはこれからもスポーツを通じた成長支援を追求し、さまざまな場所で「スポーツを変え、デザインする。」だろう。今後の飛躍に注目したい。

＜COMPANY INFORMATION＞
代　表：伊藤清隆
所在地：東京都渋谷区恵比寿4-20-3
　　　　恵比寿ガーデンプレイスタワー17F
設　立：2001年8月
資本金：1億2,600万円（資本準備金含む）
ＴＥＬ：03-6451-1341
ＵＲＬ：https://leifras.co.jp