安倍晋三首相、韓国のパク・クネ大統領、中国の李克強首相が11月1日、韓国ソウルの青瓦台で会談を行った。日中韓首脳会談開催は2012年5月以来で、日本、韓国はトップ指導者を擁立したが、中国は、国家主席の習近平氏ではなく、ナンバー2の李克強首相を派遣した。3首脳は、自由貿易協定交渉の加速化や北朝鮮の非核化で一致し、会談の成果を共同宣言として発表。宣言には「歴史の直視」が明記され、日本側は譲った格好となった。
安倍首相は「3カ国の協力プロセスが正常化したことは大きな成果だ。日中韓は隣国であるがゆえに難しい問題もあるが、首脳会談開催をさらに推進すべき。パク大統領のイニシアチブによって3カ国の首脳会談が開催されたのは、3カ国と北東アジア地域にとり画期的なこと。ただ、歴史面では、特定の過去にばかり焦点を当てる姿勢は生産的ではない」と主張した。パク・クネ大統領は、「歴史を直視し、未来を志向していく精神を基に地域の平和と安定を実現する必要がある。協力体制の復元は歴史的に大きな意味がある。朝鮮半島の平和と安定維持が共同利益になることと、北朝鮮の非核化目標をしっかりと堅持していくことを再確認し、意味ある6カ国協議を早急に再開するため努力するべきだ」と述べた。李首相は、従軍慰安婦問題などの懸案解決を求め、「協力は、歴史をはじめとした敏感な問題を処理する土台の上に成り立つ」と強調した。
共同宣言では「歴史を直視し、未来に向かうとの精神で、3カ国協力関係を強化する」と明記し、日中韓首脳会談を今後、定例化することで合意した。
【杉本 尚丈】
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