2024年12月26日( 木 )

立憲福岡、城井県連代表の指導力不足で党勢拡大が停滞(前)

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 9日に衆議院が解散し総選挙に突入するが、自民党の政治資金パーティーの問題などで、自民党は大きく議席を減らすとみられている。野党にとっては政権交代のまたとないチャンスだが、野党第一党の立憲民主党福岡県連・城井崇代表の指導力に対する疑問の声が上がっている。

麻生氏への対抗馬不在

 立憲民主党は2日、衆院選で新たに8人の公認を内定し、小選挙区の立候補予定者は201人となった。だが201人では定数465人の過半数(233議席)に達しないため、多くの空白区がでてくる。

 そうしたなか、福岡では支持団体の連合福岡を通じて、立憲と国民民主の県連が福岡県内の8つの選挙区で選挙協力を行うことを正式に決定した。県内11の選挙区のうち8つで候補者を一本化することとなり、立憲が1区、2区、3区、5区、7区、10区、国民が4区と6区で候補者を擁立することとなった。

 残る3選挙区のうち、11区は同じく連合の支援を受ける社民党が候補者を擁立する。麻生太郎氏が現職の8区(飯塚市など)と、旧民主党で一緒だった緒方林太郎氏が現職の9区(北九州市八幡西区など)では、両党の候補者はいない。

 立憲内部では緒方氏への対抗馬を擁立すべきとの声もあったが最終的に擁立できず、8区については選挙に強い麻生氏への対抗馬を立てることができないままだ。

 福岡8区では、元福岡県職員で自治労福岡県本部委員長を務めた岩田順介氏が2000年の衆院選で落選するまで同区に基盤を置き、旧社会党時代から入れると3期にわたり議席を有していた。岩田氏は1996年の旧民主党結成に参画し、同党の初代県連会長を務めた。

 8区は旧炭鉱地域ということもありリベラル系が強い。福岡市と北九州市に挟まれたエリアで、人材は豊富にいるはずだが、麻生氏との勝負を受けて立つという一騎当千の兵が出てこない。告示日が迫るなか、「麻生氏の1人勝ちを許してよいのか」という声が上がっている。

国民の政権交代への期待

 福岡県は人口509万8,118人(福岡県の人口と世帯(推計)9月1日現在)を有し、政令市である北九州市、福岡市という大都市があるにもかかわらず、国政選挙においては、自民党がほとんどの議席を獲得してきた。

 2009年の衆院選で、民主党は308議席を獲得して政権交代をはたした。119議席にとどまった自民党は結党以来、初めて第2党に転落した。福岡でも11選挙区のうち7選挙区で勝利、城井氏も10区で当選している。

 当選した旧民主党の顔ぶれをみると、1区は松本龍氏、2区は稲富修二氏、3区は藤田一枝氏、4区は古賀敬章氏、5区は楠田大蔵氏(現・太宰府市長)、9区は緒方林太郎氏、そして10区が城井氏であった。

 立憲のある地方議員は「あのときの熱気はものすごかった。自民党の支持基盤がぼろぼろ崩れ、民主党への期待は大きかった」と語る。

 15年前の政権交代は、小泉政権以降の自民党の政治手法や、経済格差の拡大に国民の怒りが爆発したものだった。このときの首相がまさに麻生氏であった。鳩山政権(民主党)で官房副長官を務めた松井孝治氏は「中道保守層が民主党にやらせてもいいんじゃないかと思うようになった」と語っているが、地方からの支持拡大を目指した小沢一郎氏の戦略が自民党を圧倒した。

 12年の衆院選で再び自公政権が復活し、その後、「安倍一強」が長く続いた。国民も変わらない政治に不満を募らせている。自民党派閥の政治資金問題を契機に、野党への期待が高まるなか、立憲の県連代表である城井氏が空白区への擁立に強いリーダーシップを発揮すべきところだが、政権交代の掛け声ばかりで一向に進んでいない。次回は城井氏の政治姿勢を具体的に見ていきながら、その問題について考えていきたい。

【近藤将勝】

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