2024年10月07日( 月 )

待望の勝利はDF小田の一撃! 福岡1-0名古屋

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イメージ    サッカーJ1リーグアビスパ福岡は4日、ホームのベスト電器スタジアムに名古屋グランパスを迎え、第33節の試合を行った。

 名古屋は、長谷部アビスパにとって何かと因縁があるクラブ。昇格初年度の2021年、開幕戦の相手は名古屋。J1基準のスピードと球際の強さを見せつけられ、1-2で完敗を喫した。23年のクラブ史上初のタイトル・ルヴァンカップでは、準決勝が名古屋戦。ホーム&アウェー形式で行われた2試合とも1-0でアビスパが完封し、2年前の雪辱を見事に果たす結果となった。

 そして23年のシーズンオフ。長谷部アビスパのエースとして4年間君臨したFW山岸祐也が名古屋に移籍。今シーズンは故障もあり、リーグ戦でのゴールはわずか1と本領を発揮できていないが、アビスパで2年連続10得点を記録した実力は本物だ。

 さて、3連勝と調子を上げて博多の森に乗り込んできた名古屋と対するアビスパは、ここまで11戦未勝利と長い長いトンネルから抜け出せずにいる。因縁の相手との一戦を、浮上のきっかけにしたいものだ。

 試合は両者がともに自身の強みを前面に出し、がっぷり四つに組み合うかたちでスタート。名古屋FW山岸祐也は15分、左サイドからの速いクロスをドンピシャのタイミングで左足ボレー。強烈なシュートを放つが、アビスパGK永石拓海が抜群の反射神経でブロックに成功。山岸の「博多凱旋ゴール」を許すわけにはいかない

 後半、名古屋FWキャスパー・ユンカーが二度にわたってゴールポスト直撃のシュートを放つが、いずれもゴールには至らない。60分を過ぎ、アビスパ・名古屋共に交代選手を投入し、ベンチが忙しさを増していく。

 そして、試合を決めたのはこの交代で入ったDF小田逸稀だった。88分、DF宮大樹がここ最近の試合でたびたび見せるロングスローでエリア内にボールを送ると、これを相手DFが大きくクリア。このボールをDF田代雅也がヘディングで再度前線に送ると、これをFWウェリントンが競り、さらに前線に張っていたDFドウグラス・グローリがゴールに背を向けて収めようとするが、そこに右サイドから走りこんできたDF小田逸稀の姿があった。グローリが懸命に小田の前にボールを落とし、小田は走るスピードを落とすことなく一気に右足を振り抜いた。矢のようなシュートは名古屋GKランゲラックの頭上を貫き、ついに待望の先制ゴール。あとはこの1点を全員で守り抜いたアビスパが、6月30日のFC東京戦以来となる勝利をものにした。

 戦力で上回る相手に対して身体を張ったプレーで真っ向から立ち向かい、「蜂の一刺し」でとどめを刺す。アビスパらしい戦いぶりで得た久しぶりの勝利は、どんな良薬よりもチームやサポーターを癒してくれる。

 今シーズンのリーグ戦も、残り5試合。J2降格を心配する必要がないアビスパにとっては、長谷部茂利監督とともに戦い、笑顔で送り出すことに集中できるともいえる。長谷部監督と過ごした5年間の集大成を表現するときが、いよいよやってきた。

【深水央】

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