2024年10月08日( 火 )

立憲福岡、城井県連代表の指導力不足で党勢拡大が停滞(後)

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 9日に衆議院が解散し総選挙に突入するが、自民党の政治資金パーティーの問題などで、自民党は大きく議席を減らすとみられている。野党にとっては政権交代のまたとないチャンスだが、野党第一党の立憲民主党福岡県連・城井崇代表の指導力に対する疑問の声が上がっている。

11区から7区に配置換え

 いよいよ衆議院の解散まであと1日となった。6日午後になって自民党派閥の政治資金規正法違反事件で問題になった議員の次期衆院選での公認をめぐり、石破茂首相(総裁)ら党執行部が厳しい対応に踏み切った。

 非公認となるのは6人で、政治資金問題で非公認よりも重い党員資格停止の処分を受けた下村博文氏、西村康稔氏、高木毅氏。非公認よりは処分が軽かったものの、党の役職停止1年間の処分が続いており、政治倫理審査会に出席していない萩生田光一氏、平沢勝栄氏、三ツ林裕巳氏が対象となる。

 しかし、処分を受けた議員のなかで、岸田政権の官房長官を務めた松野博一氏と、武田良太元総務大臣は、政治倫理審査会に出席して弁明を行ったことから非公認の対象からは外れるという。

 福岡政界において武田氏が麻生太郎自民党最高顧問と権力闘争をしていることは、知られているが、仮に自民党の公認がなくとも勝ち上がってくるとみられる。選挙区の福岡11区は、立憲の公認候補はおらず、武田氏と社民党公認の志岐玲子氏、日本維新の会の村上智信氏が立候補を予定している。

 立憲関係者によると、空白区となっていた11区にも公認候補を擁立する話があったという。福岡7区から立候補する元海上保安大学校教授の亀田晃尚氏は出身地が田川市で、県連は当初、亀田氏を11区に擁立する方向だったが、最終的に7区に決定した。

 保守的な思想を持つ亀田氏に対して「自民党現職に対し、いい勝負をするのでは」との期待はあるが、政治家にとって重要な縁故や地盤が薄いことが短期決戦になる今回の衆院選では不利に働くのではないかとの見方もある。

 最終的に県連内の調整において11区ではなく7区になったようだが、城井氏のリーダーシップには疑問が残る。

久留米市議会は立憲議員ゼロ

 立憲の福岡県連は、県議会において服部誠太郎知事の下、「県政与党」の一翼を担っていることの意義が大きいといわれる。

 多くの都道府県議会で、自民党が正副議長のポストを押さえるなか、福岡県議会では、立憲などの「民主県政県議団」所属議員が副議長に就任してきた。これは麻生渡知事以来、同会派が自民党と議会運営において、話ができる関係を築いてきたからである。

 しかし、一般市町村となると、党勢拡大は進んでいない。福岡県第3の都市である久留米市議会は、立憲の所属議員がゼロである。久留米は保守が強いといわれるが、リベラルな市議もおり、本来であれば立憲会派ができてもおかしくない。

 なにより党勢拡大を行うにも活動資金が必要だが、先の国会に政治資金パーティーの禁止法案を出した経緯もあり、県連の政治資金パーティーも自粛している。

 筑紫野市議会議員・段下季一郎氏(立憲)は、自身のX(旧・twitter)において「福岡県連の場合は、県連のパーティーで県連の経費と事務員2人の人件費をまかなっているという話でしたが、パーティー自粛でどうなるんですかね…
 と、実情を語っている。段下氏は、県連の活動費がパーティー収入に依存しており、単に自粛するだけでよいのかという問題提起をしている。

 こうした地方議員の声をどこまで、城井氏は県連代表として、直視しているのだろうか。長く続いた自民党の政治を変えてほしいという国民の声は高まっている。野党第1党・立憲の地方代表として、目の前の衆院選だけでなく、日本のかじ取りをどうしていくのか、そのためにも立憲県連の改革が望まれている。

【近藤将勝】

政治・行政記者募集

 企業調査会社(株)データ・マックスが手がける経営情報誌『I・B』やニュースサイト「NetIB-News」は、信頼性の高い情報ソースとして多くの経営者にご活用いただいています。メディアとしてさまざまな情報を取り扱っており、国内外や地元福岡の政治動向に関する情報は経営者以外にも自治体組長や国会議員、地方議員などに幅広く読まれています。

 そこで、さらなる記事の質の向上を目的に、福岡の政治・行政、また中央政界の動向などをテーマにオリジナル記事を執筆いただける政治・行政記者を募集しております。

 記事の内容は、インタビュー、政局や選挙などを中心に扱います。詳しくは掲載実績をご参照ください。

 企画から取材、写真撮影、執筆までできる方を募集しております。また、こちらから内容をオーダーすることもございます。現在、業界に身を置いている方や行政取材に興味がある方なども大歓迎です。

 ご応募いただける場合は、こちら(hensyu@data-max.co.jp)まで。その際、あらかじめ執筆した記事を添付いただけるとスムーズです。不明点などがございましたらお気軽にお問い合わせください(返信にお時間いただく可能性がございます)。

関連キーワード

関連記事