県内の林活議員らが一堂に参集 林政セミナーが開催
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森林・林業・林産業活性化促進議員連盟福岡県連絡会議総会と林政セミナーが9日、福岡市内のホテルで開催された。総会では、役員人事の決定や2年間の事業報告、今後の事業計画について話し合われた。セミナーでは、林野庁森林整備部長・長﨑屋圭太氏が「木を使って森林を育てよう~街の木造ビル・スマート林業・森林環境譲与税~」と題した講演を行い、関連産業の現状や今後について語った。
林活議連福岡県連絡会議は、森林・山村の活性化と林業・林産業の振興を目的に2000年に設立された、福岡県議会と県内市町村議会に所属する林活議員などで構成される組織。今回の会合には県林活議連、市町村林活議連、林業関係団体などの関係者約200人が参加した。
セミナーにおいて長﨑屋氏は、2050年カーボンニュートラル実現に向けて、森林のCO2吸収能力の強化と木材の炭素固定料の拡大が必要としたうえで、公共・民間による建築物の木造化の事例を紹介した。
そのなかで、長﨑屋氏は「木造化した場合、躯体の重量が軽いため、他の構造に比べて基礎工事費を抑えることができる、さらに構造材をあらわしにすることで、追加内装工事が不要になるケースもあり、多構造よりも建設工事費を抑えられる可能性がある」などと話した。
一方で、川上となる林業の経営にはコスト高と労働災害の多発などという問題があるとも指摘。それを改善するためのスマート・デジタル技術などを用いた改善策や、それによる将来像も示した。このほか、19年に制度が開始された「森林環境譲与税」の活用事例なども紹介した。
長﨑屋氏は、「地方公共団体や事業者などの方々が木材利用に取り組めるよう、木材利用促進本部事務局(林野庁林政部木材活用課)に国が実施する建築物の木造化・木質化などに関する支援事業・制度などに関する一元的な案内窓口を設置しており、何でも相談していただきたい」などと述べていた。
【田中直輝】
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