2025年は危機の年:ノストラダムスは第3次世界大戦の勃発を予言(前)
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国際未来科学研究所
代表 浜田和幸米国のCIAと英国のMI6は共にスパイ映画には欠かせない諜報機関の草分け的な存在です。その最高責任者であるバーンズ長官(CIA)とムーア長官(MI6)が揃って英国の『フィナンシャル・タイムズ』紙が主催した討論会に出席しました。
諜報界のトップ2人は非公開だった内部情報も交えながら、現下の国際情勢について縦横無尽に語ってくれたのです。なかでも最も時間を割いたのはウクライナ戦争で、衝撃的だったのは、2022年の暮れに、ロシアが戦術核の使用の一歩手前まで近づいていたという情報でした。
ロシア側の脅しとの見方もありましたが、スパイ機関の分析では、「紛れもない危機的状況だった」といいます。その際、危機を回避できたのはバーンズ長官が直々にロシアの諜報機関のトップに「報復の核攻撃に踏み切る用意がある」旨を伝えたことでした。実は、このようなやり取りが行われていたことが明らかにされたのは初めてのこと。
最大の見せ場は、両長官が「ロシア以上に恐るべき最大の敵は中国」との見方を明らかにした瞬間でした。そのため、CIAでもMI6でも、現在最も予算や人員配置を強化している分野は対中国オペレーションとのことです。
いまだ後継者が表向き選出されていない中国ですが、習近平国家主席は自らが元気なうちに「中国の夢」を実現したいと願っているだろうことは容易に想像できます。最高権力者の座を生涯維持するためにも、「台湾統一」という国家目標の達成が欠かせないと肝に銘じているようだ、と米英の諜報機関は習近平主席の脳内分析に必死で取り組んでいるわけです。
実は、16世紀に活躍した占星術師にして予言者として名を馳せたノストラダムスですが、年代ごとに未来を紐解く詩編を残してくれています。彼の四行詩に込められた予言を解釈すると、24年から25年にかけては極めて凄まじい出来事が連続して起きるようです。
なかでも聞き捨てならない予言は「第3次世界大戦の勃発」。第2次世界大戦が終わって80年近くが経ちますが、ノストラダムス曰く「24年から25年が第3次世界大戦の始まりの年になる」。しかも、「その主役は中国」との見立てを書き残しているわけで、驚かざるを得ません。
ウクライナ戦争やイスラエルとパレスチナでの対立に加えて、巷では「台湾有事」がまことしやかに話題となっていますが、きな臭い限りです。ウクライナ戦争のアジア版ともいわれる「台湾有事」ですが、「中国が台湾へ武力侵攻を行うのは時間の問題」といった見方が米軍の責任者からしばしば提起されています。
しかも、当初は27年説が有力でしたが、このところは24年11月に米国の大統領選挙が終わり、新大統領が就任する25年1月までの「政治空白」を狙って事態が急変するとの説が有力視されているのです。
先の『フィナンシャル・タイムズ』紙によれば、中国の習主席がEUの議長との個別会談の席で「米軍が中国軍に対して台湾への武力行使をけしかけている」と注意を喚起したとのこと。米国は「1つの中国」政策の下、「台湾の独立を認めない」と表では言いながら、台湾海峡周辺で軍事演習を繰り返しており、結果的に中国との緊張を高め、地域の不安定化を加速させているというわけです。
バイデン政権は中国との相互理解を深め、経済的にもWin-Winの関係を強化する意向を示してきましたが、中国の受け止め方は「米国は中国脅威論に囚われ、対中軍事包囲網を強化している」というもの。それゆえ、台湾の頼清徳新政権に対して、これまでの700億ドルに加えて、新たに20億ドルの軍事金融支援を決定したと危機感を強めているようです。
確かに、こうした状況下で、この世の春を謳歌しているのは「戦争ほど儲かるビジネスはない」と豪語する欧米の軍需産業に他なりません。日本、米国、豪州、インドの4カ国で「QUAD」を誕生させた安倍元首相は中国とも水面下の交渉を重ね、アジア地域の安定を模索していました。ところが、その後、岸田政権は「QUAD」をNATOのアジア版に変身させ、中国との緊張関係を高めるばかりでした。石破新首相も「アジア版NATO」の説立に前向きです。
(つづく)
浜田和幸(はまだ・かずゆき)
国際未来科学研究所主宰。国際政治経済学者。東京外国語大学中国科卒。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。新日本製鐵、米戦略国際問題研究所、米議会調査局などを経て、現職。2010年7月、参議院議員選挙・鳥取選挙区で初当選をはたした。11年6月、自民党を離党し無所属で総務大臣政務官に就任し、震災復興に尽力。外務大臣政務官、東日本大震災復興対策本部員も務めた。近著に『イーロン・マスク 次の標的「IoBビジネス」とは何か』、『世界のトップを操る"ディープレディ"たち!』。関連記事
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