24年地価調査・中洲が息吹き返す
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日本屈指の歓楽街 中洲が息吹き返す
注目したいのは、上昇率で県内トップとなった「中洲4-2-18」である。コロナ禍の2020年は横ばい、21年は2.1%減と低迷していたが、23年は5.2%増となり、今回は20.7%増の大幅な伸びを見せた。同地は中洲の歓楽街の中心にあり、中洲中央通りなど2面に接道する飲食ビル。コロナ禍が明け、賑わいが復活したことで、大幅な上昇となったようだ。
中洲では、同じく中洲中央通り沿いのテナントビル、明治通りに面する10階建の商業ビル、国体道路に面する賃貸マンション、ゲイツビル裏の長屋、新橋通り沿いの飲食店跡、中洲1丁目のテナントビルなどが売買されたことが確認できている。また、中洲5丁目ではオフィスビルの売買も見られた。西中洲エリアでも売買は活発化しており、コロナ禍で落ち込んでいた中洲・西中洲のテナントビル取引は大きく息を吹き返した格好だ。
全方位で上昇傾向 博多駅周辺は大幅増
「博多駅前3-21-12」は、18.3%と大幅上昇し、県内・商業地の上昇率で9位となった。平米単価は300万円に届く勢いだ。同地は、博多駅から徒歩7分のオフィスビルで、Park-PFI制度を活用した再整備が行われる明治公園にも近い。住吉通り沿いの「博多駅前4-2-25」は、9.9%と上昇率ではおよばなかったが、平米単価は423万円と県内の基準地では7位の価格となった。
3年連続で15%超の上昇となったのが、「博多駅東3-3-16」だ。上昇率は鈍化したものの、16.1%と大幅な伸びを見せ、何と8年連続での2ケタ増を記録。平米単価は166万円と、07年比で5倍以上となっている。同じく博多駅の筑紫口エリアでは、竹下通り沿いにある「博多駅東1-12-6」の平米単価が560万円に達した。18年・19年に20%超の上昇率を記録して以降、上昇率は大幅に鈍化した(今年は2.8%増)ものの、駅前立地ということもあり、高値を保っている。筑紫通りを下った「博多駅南3-2-6」も16.0%と大きな伸びを見せた。博多駅南には間口や面積が広い未開発地が比較的多く残っており、近年は賃貸マンション開発が相次いでいる。
博多駅前や博多駅東、博多駅南アドレスでは、ここ数カ月に限っても、賃貸マンションやホテルのほか、オフィスビルや土地など規模やスペック問わず多くの売買が確認できている。大型マンションなどでは、大手鉄道会社が組成した私募ファンドへの組み入れも見られるなど、県外資本による取得も目立つ。
(つづく)
【永上隼人】
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