アビスパ、今季最終戦は黒星 川崎3-1福岡
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サッカーJ1リーグアビスパ福岡は8日、アウェーのUvanceとどろきスタジアム by Fujitsuで第38節の試合を行った。今季J1リーグ最終戦である。
前節アビスパはホーム最終戦で長谷部監督との別れを惜しんだが、この日の相手である川崎フロンターレの鬼木達監督も今季終了時の退任が決定。8年の在任期間にリーグ優勝4回、天皇杯2回、ルヴァンカップ1回と7つのタイトルを獲得した名将が、川崎フロンターレとの別れの日を迎えたのだ。
そしてこの試合は、川崎が自分たちらしさを遺憾なく発揮した一戦となった。8分、川崎は強力なプレッシャーでアビスパを自陣に押し込むと、FW山田新がタメをつくって右にはたく。これを受けたFW小林悠のシュートはアビスパGK村上昌謙が防いだが、抜け目なく詰めていたMF家長昭博が狙いすました一撃でGK村上の頭上を射抜いた。
さらに27分、FW山田の正面からのシュートをGK村上がこぼしたところに今度はFW小林が走り込み、追加点。鬼木フロンターレの主軸を張り続けたMF家長とFW小林が、いずれも今季19ゴールと大ブレイクをはたした次期エースFW山田がつくったチャンスからゴールを挙げた。ゴールを決めた両選手と固く抱き合った鬼木監督に、前節のFW紺野と長谷部監督の姿が重なって見えた。
後半、FWマルシーニョのゴールで川崎の3点リードと変わるが、51分にはMF松岡大起がDF井上聖也のクロスから完璧なゴールを奪って1点を返す。長谷部監督はこの後、FWシャハブ・ザヘディ、FWナッシム・ベン・カリファを投入して勝ち越しを狙うが、川崎も迫力ある攻撃で応じ、両者がっぷり四つのまま試合終了。長谷部監督のラストマッチは、悔しい敗戦で終わった。
完敗といえる一戦だったが、長谷部監督は試合後の記者会見で、「選手ができなければ私の責任、監督の責任」と選手を責めない一貫した姿勢を見せた。
アビスパ福岡はJ1リーグの全日程を終え、12勝12敗14引き分けの12位で2024年シーズンを終えた。今シーズンの目標だったリーグ6位には届かなかったが、25年も国内最高カテゴリーであるJ1で戦うことができる。長期目標である「J1定着」が、長谷部監督からの最高の置き土産となった。
またこの日の試合結果で、ジュビロ磐田がJ2降格。すでに北海道コンサドーレ札幌、サガン鳥栖の降格が決まっている。またJ2からは清水エスパルス、横浜FC、ファジアーノ岡山が昇格。岡山はクラブ史上初のJ1昇格を成し遂げた。
今日からは、来シーズンを見据えて監督、コーチ、選手の人事異動が本格的にスタートする。アビスパの25年シーズンはどんな陣容になるのか、目が離せない日々が続くことになる。
長谷部監督との5年間をかみしめながら、来たる新シーズンに思いを馳せよう。
【深水央】
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