2025年01月08日( 水 )

立憲・枝野元代表、年頭挨拶で「悪しきポピュリズム」~減税派から反発

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 立憲民主党の枝野幸男元代表は1日、年頭の挨拶動画において「自民党一強体制が終わり熟議と公開を基本とする政治へと変わり始めるという前向きの変化もありました」と述べたうえで「一方で社会の対立を煽り、社会を分断させる悪しきポピュリズム(大衆迎合主義)が台頭するという心配すべき傾向も感じられます」と語った。

※枝野氏のX
https://x.com/edanoyukio0531/status/1874108253845533174

 枝野氏の発言は、昨年の兵庫県知事選にみられるSNS世論の影響力の高まりや、消費税減税などを求める動きを指すものとみられる。昨年行われた立憲の代表選において枝野氏は「ポピュリズムがはびこってしまう強い危機感を覚える。私が代表選で勝ったら、衆院選を通じてポピュリズムと戦う」と述べ、消費税の減税にも否定的な見解を示していた。

 これに対し、SNS上では「大衆が物価高に苦しんで、せめて減税をしてくれと望むのは『悪しきポピュリズム』とお考えなのですね?」「減税どころか増税まっしぐらな政党は、日本にとって害悪でしかないですから。自民党とともに滅んでいただきたい!」など、枝野氏の主張に反発の声が上がっている。

 2023年に出版された経済アナリストの森永卓郎氏の『ザイム真理教』(フォレスト出版)は、大きな反響を呼び、財務省などの財政規律を重視する財政政策が、国民生活を窮乏に追い込んでいるとの認識が広がっている。

 こうした動きは、ある面で、財務省に代表される永田町・霞が関エリート体制が独占する既得権益への挑戦ともいえる。

 SNS世論だけでなく、自民・立憲両党内、国民民主党やれいわ新選組などに、積極財政や減税を掲げる勢力が一定数存在しており、枝野氏の発言は、火に油を注ぐものとなっている。

 同氏のX(旧Twitter)の投稿は、6日現在で77.2万件の表示回数、リポストは672件だが、これ以外にも枝野氏の動画や発言が、引用される形で拡散されている。

 財政規律を重視する政治家は自民党にも多いが、枝野氏は野党第一党の元代表で、社会的弱者に寄り添う政治姿勢から、支持者も多い。それだけに同氏の発言は期待外れだったとの反発もあるようだ。

 昨年10月の衆院選で国民民主党が躍進したのは、減税で「みんなの手取りを増やす」というわかりやすい政策を打ち出したことがあげられる。

 旧民主系の地方議員は「立憲が政権交代を目指すうえで、消費減税などの流れに乗れないのはかなり痛いと思います」と懸念を語ったが、国民目線で与野党の違いが打ち出せないとなれば、今夏に行われる参院選への影響が少なからず生じることは間違いない。

【近藤将勝】

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