金融庁、アスカ監査法人に行政処分　新規契約6カ月停止　依頼法人一覧

行政処分

2025年1月20日 12:30

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　17日、金融庁はアスカ監査法人（東京都港区）に対して、公認会計士法に基づく行政処分を行った。

　この処分は昨年11月の公認会計士・監査審査会（以下「審査会」）からの勧告を受けたもので、金融庁が下した処分の内容は以下の通り。

■処分の内容
　同法人の新規契約締結に関する業務を1月20日～7月19日の6カ月間停止する。
業務管理体制や品質管理体制の改善を求める。

■処分の理由
　審査会の検査で、同法人の運営が著しく不当と認められる以下の事実が確認された。

品質管理体制の不備

　同法人では、職業的専門家としての倫理感が欠如していることが問題視された。監査報告書日後の監査調書の改ざんや、監査基準を無視した業務が横行している。また、収益拡大を優先する経営姿勢が強調され、適切な監査資源が確保されていない状況が長期化している。

・利益相反取引の承認
　経営管理担当者である代表社員は、他の社員の過半数による承認を受けることなく、当該代表社員が代表社員を務める税理士法人との顧問契約の締結、当該代表社員が代表取締役を務める株式会社との業務委託に関する契約の締結などを行っていた。

・監査調書の改ざん
　品質管理レビューや審査会の検査への不適切な対応も確認された。同法人は、監査報告書日後に実施した監査手続の結果に基づき、監査調書を新たに作成する行為等を防止するための措置を講じておらず、監査調書の事後的な作成や、監査調書の改ざんを組織的に行っていた。

・個別監査業務の不備
　個別監査業務においても、監査基準への理解不足や職業的懐疑心の欠如が認められた。不正リスクへの対応や会計上の見積もりに関する監査が十分でなく、重要な虚偽表示リスクへの評価も不適切であった。また、監査補助者への指示や監査調書の査閲が不足しており、業務全体が著しく不適切であると評価された。

業務改善命令

　金融庁は同法人に対して以下を含む業務委改善命令を発出した。
　法人代表者は倫理観を保持し品質向上を重視する風土を醸成すること。
　品質管理レビューや審査会検査での指摘事項を改善し、監査調書の管理を徹底すること。
　現行の監査基準に準拠した態勢を整備し不正リスクや固定資産減損の検討などに対応すること。
　上記を含めた改善にかかわる計画を本年2月17日までに提出し、即時実行することなどを命じた。