2025年01月28日( 火 )

北九州市議選・自民議席維持~立憲や共産、改選前より議席減

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 北九州市議会議員選挙(定数57)は26日投開票され、新たな議員の顔ぶれが決まった。今回、57人の定数に対し、96人が争う選挙戦となり、開票作業は深夜におよんだ。

党派により明暗が分かれた

 各党は今回の市議選を夏の参院選の前哨戦と捉え、党首や幹部らを続々投入するなどの支援体制を敷いた。最大会派でもある自民党の獲得議席は15議席で改選前の勢力は維持したものの、前回選(2021年)の16議席より減少した。自民党派閥や都議会自民党の「政治とカネ」問題による逆風が強く、一部候補者は自民の看板を全面に出さない選挙戦を展開した。

 公明党は現有議席13を維持した。同党は昨年12月17日の公明新聞で北九州市議選各候補者を紹介し「公明は政権与党への逆風で拡大を阻まれ、このままでは落選する危機的状況」などと危機感を表明していた。

 一方、野党系は明暗が分かれた。国民民主党(改選前1)は公認した2人いずれもトップ当選をはたした。同党が訴える「年収103万」の壁の見直しや減税路線が大きく影響しているとみられる。

 立憲民主党は9人を擁立したが、改選前議席(改選前7)から1議席減らし、県連幹事長代理を務める現職も落選した。与党批判に終始し、国民生活に訴求する政策提言が少ないことが、党勢が伸び悩む結果になったと思われる。

 日本維新の会は2議席(同3)共産党7議席(同8)で、それぞれ改選前から1議席減らす結果となった。

 無所属(35人立候補)は12人が当選し、改選前の8議席から増加した。このうち、福岡9区の緒方林太郎衆議院議員が支援した4人の候補者のうち、2人が当選をはたした。参政党や諸派は議席獲得ができなかった。

 今回の結果により、これまでとは違う議会の枠組みとなる。今後の議長選や各会派において武内和久市長との距離感がどうなるかが注目される。

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 北九州市議選の投票率は、40.12%で21年の前回選の40.29%を0.17ポイント下回った。

 兵庫県知事選などで見られたSNSが選挙戦に与えた影響は、無所属候補の当選など少なからず見受けられた。立憲や共産が選挙期間中、ニュースサイトなどにネット広告を出すなどした一方、自民党は「やはり顔の見えるつながりがあっての選挙。地道な地域活動が何より重要」と、党としてはSNS対策に力を入れず、地元活動に比重を置いたという。

 市選挙管理委員会は、投票率の向上に力を入れた。小倉駅前のセントシティでは従来の小倉北区に加え、門司区と小倉南区からも期日前投票を可能にし、イオン若松ショッピングセンターに新たに期日前投票所を開設することで投票しやすい環境を整備した。

市議選のPRを行うキティちゃん
市議選のPRを行うキティちゃん

 また、動画や街頭広告など市議選のPRにサンリオのキャラクター「ハローキティ」を採用した。投票所では保護者に同伴した子ども達もキティちゃんの投票済証をもらうことができ、家族連れなどに好評であったという。

 当日有権者数は76万3,514人で、期日前投票は前回選より2,218人多い12万5,984人だった。

【近藤将勝】

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