問われる片山元副知事関与

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 NetIB-NEWSでは、政治経済学者の植草一秀氏のメルマガ記事を抜粋して紹介する。今回は「兵庫県の片山安孝元副知事が『秘密文書』問題について一切言及していない」と指摘したうえで、「徹底的な真相解明が求められる」と訴えた2月25日付の記事を紹介する。

 昨年11月17日の兵庫県知事選で斎藤元彦氏が再選されたが、この選挙の正統性が問われている。いわゆる〈二馬力選挙〉が実行され、不正な情報が流布されて選挙結果が著しく歪められた疑いが強い。

 私は昨年11月18日に下記記事を配信した。
ブログ記事「新時代情報戦争と兵庫知事選」
https://x.gd/hAuJv
メルマガ記事「兵庫県知事選と25年政治刷新」
https://foomii.com/00050

 このなかに、「インターネットメディアを活用して、人々の納得や共感を獲得できれば、大きな成果を上げることができる。問題は流布される情報が必ず真理とは限らないこと。事実に反する情報であっても、情報の受け手が納得し、真実だと信じ込めば投票結果などに影響を与えることができる。兵庫県知事選では、斎藤前知事が亡くなった県民局長の内部通報に対して取った行動が適切であったのかどうかが最重要の評価対象だったが、県民局長のプライバシーに関する情報が拡散されて有権者の行動が誘導された側面が強いと見られる。『目的のためには手段を問わない』とのスタンスで選挙戦が展開されたとすれば、県民局長が使用していたPCに保存された情報の管理が適切であったのかどうかに関する評価がなされる必要がある。この意味で、選挙が公正な状況で執行されたのかどうかについての検証が必要になる。」選挙時点で選挙の正統性に疑義があることを指摘した。

 事の発端は西播磨県民局長W氏による内部告発。県民局長は2024年3月12日ごろに報道機関などに斎藤元彦知事のパワハラ等の問題など7項目の問題を告発する文書を送付した。告発は匿名だったが斎藤知事を筆頭とする県幹部が犯人捜しを実行。W氏が発信元であることを突き止めてPCを押収。

 第一の問題はこの対応。内部告発が公益通報に該当するなら公益通報者を保護しなければならない。告発内容は公益通報の可能性があるものだったと考えられる。

 しかし、斉藤知事を筆頭とする県幹部は、直ちに犯人捜しを実行し、情報発信者を特定して、3月25日にW氏の公用PCを押収。そして、押収したPC内の個人データをその後の〈脅迫〉に利用したと見られる。

 県幹部に刑事捜査権はない。PC押収が適正な措置であったと考えられない。3月27日、県はW氏の3月末での定年退職を保留とし、斎藤知事は記者会見で「業務時間中なのに嘘八百含めて文書を作って流す行為は、公務員としては失格」と述べた。

 4月4日、W氏は実名で改めて県庁内の公益通報窓口に内部告発文書を提出。5月7日、県は内部調査を根拠に、告発文書に記載された事案で核心的な部分が事実ではなく知事や職員に対する誹謗中傷であり不正行為であると判断しW氏を停職3ヵ月の懲戒処分とした。県議会は県の対応に問題があるとして6月中旬に百条委設置を賛成多数で決定した。W氏は7月中旬に百条委で証言することになったが、その直前の7月7日に死去した。

※続きは2月25日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「問われる片山元副知事関与」で。


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