元弁護士・清田知孝被告裁判、第7回公判、結審は再三の延期へ

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 清田知孝被告は当時弁護士であった2021~22年にかけて、依頼人の預り金等を横領したとして昨年逮捕・起訴された。現在3つの事件について併合審理が行われている。

 27日午後、福岡県弁護士会に所属していた元弁護士・清田知孝被告の横領事件に関する第7回公判が福岡地裁で行われた。

 当初の予定では、今回の第7回をもって結審し、論告求刑まで行われる予定であったが、検察官側が提出した一部証拠について、弁護側が不同意としたため、本公判では結審とならず、公判が続けられることとなった。

突如証拠に不同意

 弁護側が不同意とした証拠は、被告に対する被害者の処罰感情を検察官が聴取したもので、弁護側は当初証拠の採用に同意していたものの、一転して不同意に方針を転換した模様だ。

 裁判官は、弁護側が不同意とした被害者の処罰感情について、そのまま証拠不採用とするわけにはいかないとして、次回公判で証人尋問が行われることとなった。

 一方、弁護側は一部被害者との示談書を新たな証拠として提出した。今回、示談に応じた理由が被害者の言葉として説明された。それによると、示談金は被害額に到底およばないものの、被告人に対して債務整理を依頼していた自身(被害者)の経済上の苦しい立場があり、背に腹はかえられないため示談に至ったとのことだった。

 その他、別の被害者に対しても示談に向けて被害者の代理人弁護士とやり取りしている旨も証拠として提出された。

 本件裁判は、本来、昨年11月1日に予定していた第6回公判で結審する予定であったが、第5回の後、被告人が代理人弁護士を解任したことによって公判が延期され、再開した公判では新証拠の提出で結審が延期、今回で再三の結審延期となる。

第8回公判期日

 次回、第8回公判は現時点の予定では、証人尋問と被告人質問、そして最終弁論と論告求刑が行われて結審し、判決期日が言い渡される予定となっている。

 次回公判は、3月21日(金)午後1時10分から、912号法廷で開かれる。

【寺村朋輝】

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