ほんとにある財務省の怖い話

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 NetIB-NEWSでは、政治経済学者の植草一秀氏のメルマガ記事を抜粋して紹介する。今回は「石破内閣が〈高額療養費制度改悪〉を断行して、国民の命綱を断ち切る行動を示す場合、日本の主権者国民は夏の参院選に重大な覚悟で臨む必要がある」と訴えた2月26日付の記事を紹介する。

 石破内閣が発足して5ヵ月が経過。10月31日の総選挙で自公は大敗。少数与党に転落した。野党が結束して不信任を突き付ければ政権は崩壊する。

 政権にとっての大きな試金石が予算成立。衆議院での予算案可決が必須。しかし、この条件をクリアして予算が成立する見通しにある。

 しかし、石破内閣が主権者国民に寄り添う政治を実行しているとは言えない。3月に米国で開かれる核兵器禁止条約第3回締約国会議に日本政府はオブザーバーとしても参加しない方針を示した。世界で唯一の核被爆国である日本が核兵器禁止条約の先頭に立たないことに主権者多数が失望している。核による世界支配を維持したい米国の顔色を窺い、核兵器禁止条約締約国会議に出席できないのだ。

 日本の一般会計国税収入は直近4年間で年額13兆円も増加。巨大な実質増税が遂行されている。地方を含めて15兆円規模の減税が必要不可欠。しかし、石破内閣は大きな減税を握りつぶす動きを示している。同時に生存権を侵害する政治を推進している。

 「食料に対する権利」は生存権の根幹をなす。日本政府はグローバル巨大資本の命令に従ってTPPに参加。日本の一次産業をグローバル巨大資本に売り渡す愚行を進めている。

 その一環として種子法が廃止された。種子法とは国民に安定した主食を供給するために、米・麦・大豆の主要農作物について、その種子を公的に管理・育成し、農家に良質な種子を安定的に安価で供給するための法律。日本政府は米の供給不足は完全に解消されたとし、また、民間の種子事業者の種子提供能力が十分に高いとして種子法を廃止した。

 ところが、現実がどう推移しているか。米の不足が深刻化している。末端小売価格が前年比100%上昇などの事例も伝えられている。政府は三井化学が生産する〈みつひかり〉の種子を熱烈推奨してきたが、その〈みつひかり〉種子販売において重大な不正が発覚した。刑事告発が行われ、犯罪が認定され刑事罰が科せられた。国民の生存権の根幹をなす〈食料への権利〉が深刻に侵害されている。

 さらに、この国会では〈高額療養費制度大改悪〉が提案されている。国民の命綱を断ち切る施策。〈棄民政策〉そのものである。

 主権者は保険料のわずかな引き下げと、高額療養費制度改悪のどちらを選択するか。わずかな保険料引き下げなど不要だから、高額療養費制度を改悪するな、と判断する主権者が圧倒的多数だろう。

 憲法が保障する〈生存権〉の根幹を断ち切ろうとする石破内閣。このまま制度改悪を含む予算案を可決・成立させる場合、主権者国民は一揆を起こすべきだ。それほど重大で深刻な問題である。

※続きは2月26日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「ほんとにある財務省の怖い話」で。


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