GLCが東京市場へ本格進出 地場不動産会社をM&A(後)

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ
法人情報へ

(株)グッドライフカンパニー
代表取締役社長 髙村隼人 氏

 不動産投資家(オーナー)に対して、主に投資用新築一棟賃貸マンションの企画・開発(アセットマネジメント事業)と、オーナーが所有する不動産の運営(プロパティマネジメント事業)を行うサービスをワンストップで提供する(株)グッドライフカンパニー  (東証スタンダード)。同社の今後の事業展開や戦略などについて、代表取締役社長・髙村隼人氏に聞いた。
※6月17日に(株)GLCに商号変更予定
(聞き手:永上隼人)

さらなる大きな飛躍へ

LIBTH安里(那覇市安里 2024年9月竣工)
LIBTH安里
(那覇市安里 2024年9月竣工)

    ──24年12月期および今期(25年12月期)の見通しについて、お聞かせください。

 髙村 24年12月期は目標としていた売上高170億円の達成に向けて各事業を進めてきましたが、不動産投資マネジメント事業およびエネルギー事業のいずれも順調に推移したことで、売上高171億2,600万円、営業利益15億4,300万円、経常利益15億1,100万円、当期純利益10億円を計上し、増収増益および目標達成となりました。これで当社は創業以来16期連続の増収となります。

 25年12月期については、DD社の事業が不動産投資マネジメント事業に加わることで事業構成が変更となりますが、DD社の業績予想を上乗せすることで、売上高245億円、営業利益26億円、経常利益25億3,000万円、当期純利益16億2,000万円を予想しており、さらなる増収増益となる見込みです。

 ──福岡、熊本、沖縄のそれぞれのエリアについてはいかがですか。

 髙村 福岡、熊本、沖縄とも大きく戦略を変えていく予定はありませんが、マーケットとしては、まだまだ伸ばせる余地があると思っています。そのため、人員を拡大しながら、さらに基盤を強固にしていく方針です。

LIBTH光の森(熊本県菊池郡菊陽町 2024年10月竣工)
LIBTH光の森
(熊本県菊池郡菊陽町 2024年10月竣工)

    ──なかでも御社の創業の地である熊本は現在、TSMC効果で一躍バブルの様相を呈していますが、どのように見られていますか。

 髙村 もちろんTSMC効果による影響はあると思いますが、熊本のマーケットについては、過度な期待はしていません。当社でも菊陽町などでの開発を行ってはいますが、九州の基盤を固めていくうえで、熊本の配分を特段大きくしていくようなことはあまり考えていません。やはり九州においては福岡がもっとも力を入れるエリアであり、熊本に関しては現状の注力具合を引き続き継続していく方針です。

 ──最後に、新たなM&Aの検討も含めた、今後の事業方針をお聞かせください。

 髙村 M&Aについては、検討を続けてまいります。ただし、DD社のような完全子会社化にこだわるつもりはなく、M&Aについてもいろいろな選択肢から検討できればと考えています。

 今後については、東京エリアでの事業拡大に注力しつつ、九州市場のさらなる拡大も進めていきます。また、大手デベロッパーとの差別化を図りながら、小規模デベロッパーとの競争にも対応し、新たな成長機会を探っていきたいと考えています。

 当社は、「GOOD LIFE」を経営理念として掲げており、「いい住まいの提供を通じ、人々の暮らしを良くする」ことを目指している企業であり、今後も入居者のため、そしてオーナーさまのために「いい住まい」の追求および提供を続け、その先にある「いい暮らし」の創造に寄与していきたいと思います。そのために各部門間の連携をより強化し、当社のビジネスモデルの優位性を有効活用することで事業の持続的な成長を実現し、さらなる大きな飛躍を目指していきます。

(了)

【文・構成:坂田憲治】


<COMPANY INFORMATION>
代 表:髙村隼人
所在地:福岡市博多区博多駅前2-17-8
設 立:2008年6月
URL:https://www.goodlife-c.co.jp


<プロフィール>
髙村隼人
(たかむら・はやと)
1979年9月生まれ。(株)熊本シティエフエム、(株)多々良を経て、2008年6月に(株)水前寺不動産を設立し、代表取締役に就任。10年11月に(株)熊本不動産、14年12月に(株)グッドライフカンパニーへと社名変更。17年11月に本社を福岡市に移転。18年12月に東京証券取引所JASDAQ市場へ上場し、新市場区分への移行にともない、22年4月から東証スタンダードに。

(前)

月刊まちづくりに記事を書きませんか?

福岡のまちに関すること、再開発に関すること、建設・不動産業界に関することなどをテーマにオリジナル記事を執筆いただける方を募集しております。

記事の内容は、インタビュー、エリア紹介、業界の課題、統計情報の分析などです。詳しくは掲載実績をご参照ください。

企画から取材、写真撮影、執筆までできる方を募集しております。また、こちらから内容をオーダーすることもございます。報酬は1記事1万円程度から。現在、業界に身を置いている方や趣味で再開発に興味がある方なども大歓迎です。

ご応募いただける場合は、こちらまで。その際、あらかじめ執筆した記事を添付いただけるとスムーズです。不明点ございましたらお気軽にお問い合わせください。(返信にお時間いただく可能性がございます)

関連記事