「公務出張」での不倫で福岡・田川市長の問責決議案可決

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田川市役所
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 福岡県の田川市議会は6日、出張時に部下の女性と不倫していたことを認めた田川市の村上卓哉市長に対する問責決議案を出席した議員全員の賛成で可決した。

 決議案は動議で提出され「本市のイメージは全国的に大きく損なわれ、市政に対する市民の信頼が著しく失墜したことは否定しようがない」と指摘している。

 この問題は週刊現代のニュースサイト『現代ビジネス』が先月16日、村上氏の東京出張の際の様子を写真付きで報じたことで、地元だけでなく全国ニュースとなり、市役所には市長の辞任を求める声が寄せられるなど批判の声が高まっていた。

 4日から始まった市議会の一般質問では、市長の辞職を求める質問が相次いだ。保守系会派「孔志会」の今村寿人市議は「全員協議会の際にも明言したが、市長には即刻辞任をしていただきたい」と述べ「その席に1日でも長くいることが市政の停滞、市職員の士気の低下、何よりも市民の大きな不信を招くことが、なぜわからないのかと憤りを感じる」と追及した。

 これに対し村上市長は「辞任という道ではなく大いに反省をし、心を入れ替えて市政に取り組むことで信頼回復に努めたい」と答弁し、辞任しない考えを示した。

 6日、本会議前に開催された議会運営委員会で、市は市長の残りの任期(27年4月まで)の給与を50%カットする条例案を追加提案することを明らかにし、条例案は議会に提出された。

 田川市は、昨年9月にコンプライアンス条例を制定している。条文には職員が守るべき規範として「勤務時間の内外を問わず、市民の疑惑や不信につながるような行為は厳に慎む」ことが明記されている。

 市が職員436人を対象に行ったアンケート(回答数202人)では、辞職すべきとの声や、出張費用の返還を求める声などの回答があり、今村市議が指摘した「市民の大きな不信」や「職員の士気に影響をおよぼしている」ことは間違いない。

【近藤将勝】

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