ダイエット食品の通販で「-10kgは確実」と表示、フォックスに業務停止命令

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 ダイエット食品の摂取により「1週間で-10kgは確実」などと宣伝していたが、科学的根拠が提出されなかったとして、消費者庁は3月14日、通信販売会社の(株)フォックス(京都市山科区、成松伸朗代表)に対し、特定商取引法違反により、6カ月間の業務停止命令を出したと発表した。

表示を裏付ける資料を提出せず

 同社は、少なくとも昨年8月15日から10月29日までの期間、ウェブサイトでダイエット食品「Re-CABO(リカボ)」を販売する際に、根拠もなく、著しい痩身効果が得られるかのように表示していた。

 「糖代謝向上で-10kgを誰でも簡単に達成することができたってわけなんです」「肥満患者専用 脂肪吸引級の体重激減ができる “コレ”さえ飲めば1週間で-10kgは確実なんです!」と、同商品の摂取によって、短期間に簡単に著しいダイエットが可能と宣伝していた。

表示事例
表示事例(消費者庁の発表資料より)

    これに加えて、「コレは摂取した糖質すべてをエネルギーとして消費できるリカボならでは! どれだけ食べても、太らない体が勝手に手に入るんです!」「どんだけ食べても太らない半永久的に『奇跡の体質』『最強の体系』を手に入れられるんです」とうたっていた。

 消費者庁は同社に表示を裏付ける資料の提出を求めたが、期間内に提出されなかった。このため、表示は実際よりも著しく優良と誤認させるものと判断された。

申し込み最終確認画面に記載漏れ

 大げさな効能効果の表示に加え、同社は同商品の定期購入契約について、ランディングページから遷移するチャットボットページの申し込み最終確認画面に、商品の初回引渡時期を表示していなかった。特商法はインターネット通販の場合、申し込み最終確認画面に分量、販売価格、支払時期・方法などとともに、商品の引渡時期の記載を義務づけている。

 定期購入の解約についても、消費者を誤認させるような表示が見られた。ウェブページ上の「特定商取引法に基づく表示」には、送料込みの通常価格1万480円と初回価格500円の差額である9,980円が請求されるとあるが、最終確認画面には「通常価格9,980円から初回価格500円を引いた9,480円のキャンセル料を頂戴いたします。(すべて税込)」と表示していた。

消費者庁による記者発表(3月14日、東京・霞が関)
消費者庁による記者発表
(3月14日、東京・霞が関)

    消費者庁は同社に対し、3月14日~9月13日の6カ月間、通信販売の一部業務を停止するよう命じた。これと合わせて、違反行為の発生原因の調査・分析や再発防止策の整備などを指示した。

 また、昨年8月15日~今年3月13日に通販で売買契約した人を対象に、今回の違反内容について「4月14日までに書面で通知し、その結果を消費者庁長官へ報告することを指示した」(取引対策課)と話している。

代表者には業務禁止命令

 主導的な役割をはたした同社の成松伸朗代表に対しては、6カ月間の業務禁止命令を出した。

 PIO-NETに登録された同社に関する消費者相談は、2022年度から24年度までに合計596件を数える。性別では女性が8割を占める。年代別に見ると、40代が22.1%、50代が27.5%などとなっている。

 契約金額の平均は約1万1,700円、既支払額の平均は約1,600円だった。

【木村祐作】

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