「戦争・有事が怖い」ホテル×リネン業の経営者対談

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 ある日の晩、ホテル業とリネンサービス業の経営者AとBの対談を行った。2人とも二代目、三代目にあたり「コロナ地獄」を味わっている。

コロナ禍でホテル買収

 ホテル業側は老舗で一定程度のブランド力があった。だが、コロナ禍においてはまったくお客さんが入らなかった。宿泊稼働率は30~35%で推移していたという。「自分のところは厳しいが、同業他社も同様のはずだ」と考えて耐え忍んだという。そうしていると、不意に同業者のホテル売却の情報が流れてきた。先行きを判断してホテルを2棟買収。コロナ禍が明けて、今度は新たにホテルを建築することにしている。Aは謙虚に「父、祖父が健全経営に努めてきたからコロナ禍にあっても“積極攻撃”を完遂できた」と振り返る。

ホテルからの注文ゼロ

 リネンサービス業のBが内幕を明かす。「地獄が3年間続いた。ホテルの稼働率が20~25%であったから仕事の発注は微々たるものだった。『1年でコロナ地獄は過ぎるだろう』と楽観的に考えていた。ところが2年が過ぎた。この時点で『首を吊るしかないのでは』という不安すら募った。財界でのすべての要職を辞任した。コロナが襲来して3年が過ぎると『廃業と不動産売却』を検討するところまで追い込まれた。地獄の3年間を踏ん張れたのは先人の方々の奮闘と蓄積のおかげである」と心底、感謝している。

戦争・有事に心底、警戒

 ホテル経営のAは「新館ができれば450室の規模になる。現在、稼働率は平均90%をキープしている。笑いが止まりません。ただし、怖いのは台湾有事、朝鮮半島での戦争勃発だ」と警戒している。

 リネンサービス業のBは「今期でようやく地獄の3年間の赤字を埋めるメドがついた。だが次に恐ろしいのは、戦争・有事が発生することだ」と語る。

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