西鉄、2025年度計画を発表 投資バランスを新しい段階へ
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21日、西日本鉄道(株)は2025年度における「第16次中期経営計画」を策定し、その概要を発表した。
それによると、25年度の投資総額は1,113億円を計画し、資材価格高騰や財務状況を考慮しつつ、持続可能な事業展開を推進する。「ONE FUKUOKA BLDG.」は4月24日に開業予定で、西日本最大級の複合ビルとして商業施設やオフィス、ホテルなどが入居し、新たなビジネスや文化の交流拠点となる見込みだ。
構造改革については、西鉄バス宗像(株)と西鉄バス二日市(株)を西日本鉄道本体に統合(本年10月予定)するほか、北九州地区でのタクシー事業を廃止(本年6月)するなど、運営体制を大幅に見直す。また、天神大牟田線・貝塚線のダイヤを再調整し、完全キャッシュレスバスの導入を進めるなど、効率的な運営体制を整備する。その他、新技術導入の一環として、自動運転バスの実証実験やAI活用のオンデマンドバス、電気バスの外販拡大や、人財戦略として従業員の待遇改善や定年延長(65歳)の実施なども行う。
同社はこれらの施策を通じて、福岡・九州地域の成長をけん引し、35年度までに連結事業利益370億円を目標としている。
設備投資から分譲投資・投融資へシフト
24年度の設備投資実績は656億円だったのに対し、25年度は446億円へと約210億円減少している。この主な理由は、「ONE FUKUOKA BLDG.」をはじめとする大型再開発プロジェクトの投資ピークが24年度までにほぼ完了し、25年度はその最終段階での支出が縮小するためだ。
一方、分譲投資は24年度の406億円(純投資110億円)から2025年度の470億円(純投資48億円)へと規模が拡大している。投融資も、24年度の40億円から25年度は197億円へと、前年から157億円も増加している。ここではとくに「海外開発事業への投資」が拡大しており、25年度にトルコ・イスタンブール、メキシコ・モンテレなど新規拠点を開設予定としている。
これらの投資計画から西鉄はいよいよ、福岡の再開発という国内プロジェクトでピークを越え、新たな市場開拓のために海外投資に軸足を移していくフェーズに入ったことが分かる。
【寺村朋輝】
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